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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

海峡で釣る 

海峡の自然

海峡で釣る

関門海峡は、急潮のため魚の宝庫です。
なかでもスズキは、全国でも屈指の好漁場でしたが、最近の海峡浚渫や埋め立てによって、釣果も以前ほどではなくなったのが現実のようです。
海峡の漁人は、夜明け前の海峡に船を出します。

キダラ(手のひらの掌紋)がぼんやり見えるころの、「朝マズメ」「朝マジメ」の時がもっとも良いとされ、夕方の「夕マズメ」「夕マジメ」の時が次によい時、といわれています。

しかしながら、海峡には四度び潮の流れが変り、急潮があります。
現在のように船外機を装備していない、手こぎ船の時代は大変な苦労がありました。

手こぎでは、急潮に逆らって上ることができません。
そのため、潮が穏やかな時間帯に早鞆瀬戸を通り抜け、釣り場の近くで仮眠をし、「朝マズメ」の時を待たなければならなかったのです。

その当時壇之浦の子供たちは、小学生になると手伝いで船に乗って漁に出かけ、漁を終えて学校に行ったそうです。
しかし、潮の流れが急で帰れないときは、長府の海岸へ船をつけて上陸、路面電車に乗って帰宅し、学校へ急いだということです。

また、太平洋戦争で、全国に落とされた機雷の数は、11000発。
その内、二分の一が関門海峡に落とされたため、数百隻の船が沈没し、数年間航行出来ませんでしたが、それが幸して、海峡では豊漁が長年続いたそうです。


安富静夫著「関門海峡雑記帳」(増補版)より
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Posted on 2019/07/13 Sat. 11:16 [edit]

category: 関門海峡雑記帳

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