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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

鶴と雁とヒヨドリ 

鶴と雁とヒヨドリ


田ノ首の突端に「カネガツル」と「金のツル」という面白い地名がある。
この「ツル」は、弦、蔓、鶴、釣と、いろいろな字が当てられ、それぞれにふさわしい話がある。

中でも「鶴」にまつわる話は多い。ということは、昔は彦島にも鶴が渡来していたと想像できる。
ところが最近、面白い話を聞いた。
「田ノ首に鶴が来よったのは、つい五、六年前までで、毎年、決まったようにワシの田にやって来たものじゃ。それも、僅か一週間で、たいていは二羽か四羽くらい。
陸塩田でワシが田んぼを打ち起こしていると、必ず10メートルくらい向こうに一定の距離をおいて、ドジョウか何か、エサをついばみよったが、それが可愛ゆうてのう」
必要なこと以外は殆どしゃべらないという無口で有名な田ノ首の中村吉五郎氏が、ポツリポツリと、こんな話をしてくれた。
陸塩田は数年前に埋め立てられて、仮称山中団地として生まれ変わりつつある。

毎年、必ず渡来の途中に立ち寄って遊んでゆく鶴たちの習慣がなくなり「どこでエサを探すものやら、可愛そうにの」と中村氏は嘆息する。
だが、鶴だけではなく、多くの野鳥が彦島から姿を消してしまったのも事実。

雁も、ほとんど見られなくなったものの一つ、つい何年か前までは、夕焼けに染まって雁の編隊飛行が見られたものであった。
元禄時代に書かれた「赤間関十景」にも、彦島の背に飛び立つ雁の群れが描かれ「曳島落雁」と題してある。

毎日新聞の河谷日出男氏が出した「私の博物誌」のヒヨドリの項をひもといてみると、そのコースに彦島が入っている。
そういえば海峡を行き交う大型船の間を縫って、海面すれすれに群がって飛んでいるさまを、よく見かけたものであった。
「秋、かなりの群れが本州から南下して下関の彦島経由、九州に来て冬を越す。そして四月、門司の部崎燈台裏山に集結、下関市の小月で休み北上する。この関門海峡コースが主流のヒヨドリロード」と河谷氏は書いている。


冨田義弘著「彦島あれこれ」より抜粋
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Posted on 2019/08/10 Sat. 09:41 [edit]

category: ぶらたん彦島

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