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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

七つの星 

七つの星
トルストイの童話


 むかしむかし、ある村で、毎日毎日、あつい日照りが続きました。
 雨が、ちっとも降らないのです。
 池も井戸(いど)も、すっかり水がなくなってカラカラです。
 ある家に女の子がいましたが、お母さんが病気になって寝込んでしまい、
「ああ、水を飲みたい、水を飲みたい」
と、言うのです。
 女の子はどうにかして、お母さんに水をあげたいと思って家を出て行きました。
 でも、どこを探しても、ひとしずくの水さえも見つかりません。
 女の子は疲れてしまって、野原の中の草の上に座ると、そのまま眠ってしまいました。

 しばらくして目を覚ました女の子は、目の前にある物を見てビックリ。
 すぐ前に一本の木のひしゃくが置いてあり、その中にきれいな水が光っているのです。
「あら、水だわ!」
 女の子は喜んで、そのひしゃくを取りあげました。
 すぐに飲もうとしましたが、
「いいえ、わたしよりもお母さんに、早く飲ませてあげましょう」
 急いで、家の方へかけて行きました。
 すると途中で、一匹のイヌが言いました。
「わたしはのどがかわいて、死にそうです。一口だけ飲ませてください。ワン」
 女の子は可愛そうに思い、手のひらに少し水を入れるとイヌに差し出しました。
 イヌは喜んで、ピチャピチャと水を飲みました。
 すると不思議な事に、木のひしゃくはキラキラと光る銀のひしゃくに変わりました。
 それから、急いで家へ帰った女の子は、
「さあ、お母さん、お水ですよ」
 お母さんはゴクリ、ゴクリと、ひしゃくの水を飲みました。
「ああ、おいしかったわ、ありがとう」
 お母さんがそう言った時、銀のひしゃくは金のひしゃくに変わりました。
 そのひしゃくの底には、まだ水が少し残っています。
 女の子が、今度はやっと自分が飲もうとすると、ふと、一人の知らないおじいさんがやって来ました。
「のどがかわいて、倒れそうです。一口でも水を飲ませてください」
 残っている水は、わずかです。
 おじいさんにあげてしまうと、自分は飲む事が出来ません。
 でも女の子は、
「はいどうぞ、おあがりなさい」
と、言って、ひしゃくを渡してしまいました。
 その人は、うれしそうに水を飲むと、
「ありがとうございました」
 お礼を言って、出て行きました。
 女の子は、あとに残ったひしゃくを見てビックリしました。
 ひしゃくからはきれいな水が、こんこんとわき出ているのです。
 女の子が喜んで飲んだあと、金のひしゃくには、ピカピカと光る美しい七つのダイヤモンドがついていました。
 そしてそれが空へ飛んで行ったかと思うと七つのお星さまになり、ひしゃくの形の星座(せいざ)になりました。
 それから、ひしゃくの水を飲んだおかげでお母さんの病気も治り、二人は幸せに暮らしたということです。

おしまい
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Posted on 2013/04/30 Tue. 09:14 [edit]

category: 世界昔話

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