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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

にげだしたまつの木 

にげだしたまつの木


 むかしむかし、あるところに、いろいろなものにばけては、人とをだましておもしろがっている、わるいタヌキがいました。
 あるあつい日のこと。
 さかなうりの男をみつけたタヌキが、
「おお、ちょうど腹が空いているときに、さかなうりが。ようし、だましてさかなをとりあげてやろう」
と、みごとなえだぶりのまつの木にばけました。
 まつの木の日かげをみつけて、
「ありがたい。ここでひとやすみしていこう」
 さかなうりは、にもつをおろしました。
 でも、このまえにとおったときには、まつの木など、なかったはずです。
(ははん。これは、いたずらダヌキのしわざだな。よし、からかってやろう)
 さかなうりは、タヌキのばけたまつの木にむかって、
「たしかこの木は小判(こばん)の木で、木をたたくと小判がふってくるはずだ。それっ、トントン」
 するとタヌキは、全財産(ぜんざいさん)の小判を三まい、さかなうりの頭の上におとしました。
「よしよし。では、もうひとつ、トントン」
 さかなうりが、ふたたび木をたたきましたが、タヌキはさっき、全財産をつかってしまったので、もう、なにもおとすことができません。
「・・・しかたない。こんなところか」
 さかなうりは、キセルにタバコをつめて一ぷくすると、そのすいがらを、まつのみきにできているくぼみに、プイッとなげ入れました。
 こうして、二ふく、三ぷく、すいがらをなげ入れていくと、モクモクと、まつの木からけむりがたちのぼってきました。
 タヌキはジッとがまんしていましたが、いつまでもがまんしきれるものではありません。
「アチッ、アチチチチ・・・」
 まつの木は、みるみる小さくなったかとおもうと、
「こりゃあたまらん。アチチチチ・・・」
 全財産をとられたうえに、おしりにやけどをしたタヌキは、なきながらどこかへいってしまいました。

おしまい
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Posted on 2013/04/30 Tue. 09:04 [edit]

category: 日本の民話

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