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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

杖の淵のいわれと、高井の里のていれぎ 

杖の淵のいわれと、高井の里のていれぎ


 四国八十八カ所まいりの第四十八番札所の西林寺(さいりんじ)は、よく知っていると思います。そのお寺の横の松山東部かんじょう線をこえた向こう側、高井の里に「杖の淵公園」があります。そこには、わき水をこんこんとたたえた、それはきれいな「杖の池」があります。
この池にはこんな話が伝わっています。

むかし、弘法大師(こうぼうだいし)さんがしゅぎょうの最中にちょうど高井までいらっしゃいました。その年はひでり続きで、田はひびわれ、草木はかれ、人々の気持ちもあれすさんでいました。弘法大師さんは歩き続けだったので、のどがかわいて仕方ありませんでした。そこで、家のかど口に立って、水を一ぱいくださいとたのみましたが、どの家でも水をくれませんでした。とても人のことどころではなかったのです。

今度はもうこわれかけたような家で、おばあさんに水をたのみました。すると長い間たって、おばあさんがおけいっぱいの水を持って帰ってきました。遠くはなれているいずみまで水をくみに行ってくれたのです。その冷たい水をゴクゴクおいしそうに飲まれた弘法大師さんは、おばあさんにこう言いました。
「ああ、おいしかった。それにしても遠くまでくみに行かれたのでしょう。このあたりは水が不自由とみえます。よし、わたしが出してあげましょう」。
言葉が終わるか、終わらないうちに、弘法大師さんは手のつえを大地につきさしました。それをぬくと、あら不思議。かわききった大地からこんこんと水がわき出し、いずみとなったのです。そのいずみはどんなひでりの年でも、かれずに今もあります。それが「杖の淵」です。

その池のうら手にすみきった小川が流れています。そこには伊予節(いよぶし)でうたわれている「ていれぎ」が今でも植わっているんですよ。高さ20センチぐらいで、クレソンによくにている草です。おさし身のつまにすると、ピリッとからくて、美味しいんですよ。サッとゆでておひたしにしてもいいですね。
むかしは高井の里でたくさんとれたそうですが、育てるのは大変で、今では夏には黒いしゃでおおったり、川の流れにごみがまざったら取りのぞいたりと、手入れがいるそうです。時期によって、杖の淵公園で売っているので、一度食べてみてはいかがでしょう。


協力/青春亭 お伽座
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Posted on 2013/04/20 Sat. 09:58 [edit]

category: 日本の民話

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