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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

宗の御前 

宗の御前


竹崎町の光東寺の石段を上り山門をくぐって左側に石仏があります。
青黒くさびた様に見える九十センチばかりの円筒の石仏で、一般に「オチモヤサン」といわれています。

このお寺の古いことを記した書き物によりますと、いまから約七百数十年前の建長のころ、宗助という漁師がこの竹崎の浦に住んでいました。
宗助夫婦には、それは可愛い男の子が生まれましたが、お乳が不足がちで生まれながらにひ弱く、宗助夫婦は心配して夜も寝られません。
とうとう心配のあまり、近くの光東寺の薬師如来に、お乳がよく出るようにと願をかけました。

二十一日間お参りしたその満願の日、一心に祈っている宗助の耳に、
「豊前柳ヵ浦の松の根元に石仏があるから、それにお願いすれば必ず願いごとがかなう」
とのおつげがあった。

それを聞いた宗助は、さっそく遠く柳ヶ浦にかけつけ、おつげの場所にいってみると、まさしくその場所にあやしく光を放つ石仏がありました。
喜んだ宗助は、それを大事にかかえて下関に帰り、光東寺に納めて一心不乱に祈願をこめたところ、不思議に乳が吹くように出始め、その後子どもはすくすくと育ちました。

宗助は非常に喜び、この石仏のことを自分の名前の「助」をはぶいて「宗の御前」と呼びました。
それから乳の出ない人は、米のとぎ汁、出すぎて困る人は乳をしぼって石仏に供え、祈願したといいます。


『下関の民話』下関教育委員会編
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Posted on 2019/02/21 Thu. 12:15 [edit]

category: 下関の民話

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