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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

鳳凰五斗もってこい 

鳳凰五斗もってこい


むかし、むかし、大むかしのことです。
大きな大きな森のなかに、動物たちと鳥たちとが、たくさんすんでおりました。

あるときのこと、どちらがすぐれているか、ということでいいあらそいがおこりました。
しかし、いいあらそいでは、どちらがすぐれているのか、きりがつきません。

とうとう、たたかって勝ち負けをつけよう、ということになりました。

さっそく、動物たちは、あつまって相談しました。
知恵のあるきつねを指揮者にして、作戦をいいわたしました。
「わしが相手のようすをみて、ここじゃというときにゃぁ尻っぽをあげる。そしたらみんなは前に進み、尻っぽをうしろにさげたらあとにさがる、ちゅうことにしよう」

このとき1ぴきの蜂がまぎれこんでいて、この作戦をすっかりきいていました。

いっぽう、鳥たちもあつまって話し合い、いちばん年よりで、考え深いふくろうが指揮者にきまりました。

その夜のこと、鳳凰がふくろうの家をたずねてきて
「ふくろうさん、あんたはまこと年をとっちょって考え深かろうが、昼はよう目がみえんじゃないか、それじゃ、ちいとみんなをさしずするちゅうのはむずかしかろう。なんならこのわしがかわっちゃげてもええが。そうじゃ、来年のとりいれになったら、あんたに大豆を五斗さしあげよう」
と、ふくろうの大すきな大豆五斗をやる約束をして、ふくろうからのすいせんで、かわって鳳凰が鳥たちの指揮者になりました。

さて、そのあくる日、蜂が鳳凰のとこにやってきて、
「わたしゃぁ、鳥じゃござりませんが、羽をもっちょりますけえ、どうぞ鳥さんたちの仲間にいれてつかぁされ。そのかわり、きっと勝つ手を知っちょりますが」といって、きつねの作戦をささやきました。
鳳凰はよろこんで、蜂を仲間にいれてやりました。

いよいよたたかいがはじまりました。
動物たちは、どんどんせめたててきました。
みると、蜂がいったように、きつねが尻っぽをしゃっきりと立てています。

そこで蜂が飛んでいって、その尻っぽをチクリとさしました。
「いたいッ」と、きつねは尻っぽをおろしてしまいました。
それを見て、動物たちはうしろにさがりはじめ、きつねはあわてて尻っぽをあげました。
するとすぐに、蜂がチクリとさしました。
きつねはまた、「いたいッ」とおろしました。
動物たちは、どんどんうしろにさがっていきます。
「しまった」ときつねは尻っぽをあげようとしますが、そのたびに、何かが、チクリ、チクリとさすものですから、とうとうあげることができません。

そこへ、ここぞとばかりに鳥たちがせめたてましたので、動物たちはさんざんに負けてしまいました。
鳥たちは大勝利にばんざいをさけびました。

気の毒なのはきつねでした。無理をして尻っぽをあげようとしては蜂にさされたので、細い尻っぽがはれあがって、今のように大きな尻っぽになってしまいました。

そして、鳳凰はふくろうとの約束などすっかり忘れてしまったのでしょうか、あくる年のとり入れがすんでも、約束の大豆を持ってはきませんでした。

それでふくろうは、鳳凰に約束を思い出させるために、
「鳳凰大豆を五斗もってこい、鳳凰五斗もってこい、鳳凰、鳳凰、ホーオー、ホーオー」といつまでもないているのだ、ということです。

(厚狭郡)

(注)鳳凰…古来中国で竜などとともに、四瑞として尊ばれた想像上の瑞鳥。


山口銀行編纂 山口むかし話より転載
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Posted on 2019/06/18 Tue. 11:33 [edit]

category: 山口むかし話

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