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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

金の蔓 

金の蔓


 むかし、田ノ首の岬の上に、大きな金の蔓が生えていて、朝夕さんぜんと輝いていた。

 里びとはもちろんのこと、ここらを航海する舟びとも、この不思議な現象に心うたれて、誰も取る者はいなかったが、ある日のこと、欲の深いマドロスが、ひそかにこの金の蔓を根元から引き抜き、船に積んで出航した。

 すると、たちまち大風が起こり、船はそのすぐ近くにある鳴瀬の暗礁に打ち上げ、木っ端微塵に砕けて、マドロスたちは、一人残らず激流にのまれて死んだ。

 そのため、この不思議な金の蔓は、永久に姿を消したが『金のツル岬』と呼ばれて、名前だけは残された。


富田義弘著「平家最後の砦 ひこしま昔ばなし」より

(注)
この話は『馬関覚え帳』に西白道氏書いているものである。
ここでは、ツルが『蔓』となっており、マドロスが出てくるので、明治以降の新しい話であろう。


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Posted on 2017/05/15 Mon. 09:39 [edit]

category: ひこしま昔ばなし

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