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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

舟島怪談 石の塔 

舟島怪談 石の塔


 むかし、彦島の農家の人たちは、どの家も舟を持っていて、畠の肥料にする海藻を採りに北九州の若松方面まで出かけていました。
 その海藻採りのことを『藻切り』あるいは『藻刈り』と言っていましたが、その藻切りに出かける前の日の夕刻、人びとは舟島の石の塔を眺めてから、行くかどうかを決めたといいます。
 それは、石の塔が、鎌崎の鼻から見える日と見えない日があったからです。
 人びとは、春から夏へかけて石の塔が見えれば、翌朝は雨か嵐になり、ぼんやり霞んでいたり、さっぱり見えなければ、あくる日は快晴なので藻切りの準備に取りかかりました。
 そしてまた、秋から冬にかけては、石の塔が見えれば、翌朝は晴れで、見えなければ時化るといってミノを出したと伝えられています。


富田義弘著「平家最後の砦 ひこしま昔ばなし」より

(注)
この話について、ある古老は『石塔が赤く燃えていれば、春は時化、秋は好天で凪ぎ、というて、藻切り舟は大正の終わり頃まではあった』と、話してくれた。
一種の気象俚諺であるが、言外に小次郎の哀れさが感じられる話である。
石の塔というのはおそらく、その墓をさしているのであろう。

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Posted on 2017/05/06 Sat. 10:38 [edit]

category: ひこしま昔ばなし

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