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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

あとがき 1 

あとがき 1

方言が見直されているという。
裏返して言えば、地方色豊かな、そして、土の匂いのする方言は、今や瀕死の状態にあるわけだ。

私が「ふるさとのことば」に興味を持ち始めたのは、受験のために上京する満員の車中で同郷の女子大生が、しきりに連発する「だからサア」を、耳障りに思ったそのときからである。

当時九州から東京へ直通の列車は急行がわずか三本で、下関仕立ての「霧島号」の十一号車は、当然、下関弁だけが渦巻いていた。
そのような雰囲気の中で、一年先輩のその女子学生は、鈴を転がしたような美しい声で、東京弁をまくしたてていた。
それはまるで、故郷の言葉を忘れてしまったかのような流暢さであったが、私には、その美しい声が哀れに思えるほど、都会かぶれの軽薄さが心に残った。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2021/05/20 Thu. 10:11 [edit]

category: 下関弁辞典

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