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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

郡部にも洋風建築の新風1 

郡部にも洋風建築の新風1

大正時代となると、洋風建築への志向は、都市部ばかりでなく、しだいに周辺の郡部にも波及していった。
その代表的な遺産が豊田町の殿居の国道435線沿って建つ旧殿居郵便局と、豊北町滝部の旧滝部小学校校舎を整備再活用した豊北町歴史民俗資料館であり、ともに大正13年の完成である。

豊田町に郵便局が開設されたのは、明治6年5月のことで、当初は西市郵便取扱所として、山口県下で30番目の開設であった。
これに次いで開局したのが殿居郵便局で、同35年12月に集配業務を開始。
その後、同44年に電信業務も取り扱うようになった。

そうした業務拡張に伴って局舎も狭隘となってきたため、当時の局長であった河田寛は、大正10年頃から局舎の改築を計画し、まず地元の大工の棟梁山本安一を同道して上京し、洋風建築を見学してまわった。

そして帰郷後、その棟梁に建築を依頼し、大正13年3月、1500円の総工費をもって新局舎の完成をみたのである。

局舎の母屋は木造平屋で、基礎が花崗岩布石、外壁が横目板張り、屋根は鉄板葺き、破風に美しい意匠が施され、内部は事務室、宿直室、作業室で、その母屋に連なる木造八角塔屋二階建ての局長室の部分に特別な趣向がみられ、腰および小壁がモルタル塗りで、ほかは横羽目板張り、屋根が八角ドーム銅板葺きとなっているのが特に印象的である。

小規模ながらその洋風ぶりはモダンで、全体的な外観、構造ともに無理なくまとめられており、メルヘン風な雰囲気もあって、地方の風土にもよくとけあった好建築である。

(清永唯夫)

図説「下関の歴史」より
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Posted on 2018/11/09 Fri. 09:45 [edit]

category: 下関の歴史論文

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