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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

平家がに 

平家がに


源平合戦にまつわる伝説はたくさんあります。
これもその一つ。

壇の浦の漁師たちは、魚を釣るとき、かならず船板に正座して釣糸をたれます。
いつのころから、誰がはじめたのかわかりません。漁師たちは、正座しているほうが、釣りの勘がよくはたらくといいます。
また、こうしていれば、なんとなく心も落ち着くといいます。

もう一つは、平家の落人がこの壇の浦に住み着いて漁師をはじめましたが、以前宮中に住んでいたころの作法が身について、正座するようになったともいいます。

この海峡では、平家がにがとれます。中型のカニで、甲の長さ3センチ、脚をのばすと約15センチぐらいになります。
そして背の甲に、人の面ににた隆起があります。が、これが平家の武士たちのうらみの形相そっくりなので、平家がにといっています。

また海に消えていった官女の生まれ変わった姿といわれる10センチぐらいの美しいタイのことを小平家(こべけ)といって、毎年七、八月ごろになると、金色のうろこに白い斑点のあるこのタイが海峡にあらわれます。


『下関の民話』下関教育委員会編
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Posted on 2020/05/22 Fri. 10:03 [edit]

category: 下関の民話

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