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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

七本足のタコ 

七本足のタコ


 西山と竹ノ子島の間に、獅子ヶ口ちゅう大きい怪岩が、口をあけて不気味なかっこうでそそり立っちょる。

 むかし、この磯辺に、お夏ていう気丈な女が住んじょった。どだい力も強うて、大食いじゃったが、ある日、磯でワカメを刈りよると、人間ほどもある大ダコが、岩の上で生意気に昼寝をしちょるのが見えた。
『こいつは、うまそうや』
 と、大食漢のお夏はそろっと近づいて、その足を一本、鎌で切り取り、持ち帰った。そして夕食の膳にそえて、たらふく食うた。

 四、五日たって、また同じ岩で昼寝をしちょる大ダコを見つけたお夏は、ごっぽう喜んでその足の一本を切ろうとした。ところが、大ダコは待ち構えちょったように、七本の足をお夏に巻きつけて、ズルズルと海へ引きずり込んでしもうた。

 その後も、七本足の大ダコは、時々出て来ては、岩の上で昼寝をしちょったが、浦の漁師らは、誰も恐れて近寄ろうとはせんじゃったといや。


富田義弘著「平家最後の砦 ひこしま昔ばなし」より

(注)
これも一般には『お夏ダコ』として伝えられている話である。
ところで、お夏は、話す人によって、女であったり、娘であったり、老婆であったり、それぞれ違っているようである。
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Posted on 2019/12/23 Mon. 10:35 [edit]

category: ひこしま昔ばなし

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