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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

化石層を守る 

化石層を守る


おそまきながら、ほんの一部分だけ下関の文化財に指定はされたが、他は荒れるにまかされ、あるいは埋め立てられ、年々減少しつつある彦島の貝化石が、秋吉台の一角で大切に保存されていることを知り、何だか身内のものが旅先で思わぬ親切を受けたような感激に胸を熱くした。

ところで、彦島西山地区の化石床で現在までに確認されている古生物の化石は31種類以上を数えることができるという。
その主なものは二枚貝、巻貝、つの貝、まて貝、サメの歯や背骨、それにウニなどがあげられる。
中でも「ビカリヤ」と呼ばれる巻貝の仲間は、もともと南方の海に棲んでいた貝であるから、2500万年前のこの付近の海は、かなり暖かかったと推定されるのである。

この化石床の規模の大きさに驚き、その愛護運動にいち早く取りかかったのが地元の玄洋中学で、昭和35年のことであった。
それは、市が文化財に指定する十年も前のことで、生徒会や学区会が中心となって『西山化石層愛護班』を作り、巡回を繰り返してきたという。
中学生たちによる自発的な愛護運動を知ってか知らずでか、西山地区の海浜地形が急速に変っていったのは、その十年近い年月の中であった。

舞子島も丸山も、削られ埋められて、天下の良港と呼ばれた南風泊も漁港団地に造成され、「驚くべき規模の化石層」の大部分はその下に眠ってしまった。
だから「化石を採取すれば罰せられます」と書いた立て札がやけにしらじらしく見えるのである。


冨田義弘著「彦島あれこれ」より抜粋
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Posted on 2017/07/05 Wed. 10:12 [edit]

category: 彦島あれこれ

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