彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
豊関ことばについて 9
豊関ことばについて 9
非常にアクセントの強い言葉で、それでいて、どことなく、雅やかな響きがあった。
その上、田ノ首ことばによる老人たちの会話は、彦島に住んでいる者にさえも通じないことが多かった。
アクセント… その抑揚の激しさは、例えば、驚いた時に発する「オリョリョー」という感嘆詞の一種にも見ることが出来る。
この言葉は、北浦地方に土地の名を折り込んで
「矢玉タアタア、和久チューチュー、湯玉オリョリョー、小串ナッチュマアエエ」
という言葉遊びがあるので、湯玉やその近辺でも使われているはずだが、田ノ首の「オリョリョー」には、まるでソプラノ歌手によるアリアのような響きがあった。
この抑揚ぶりを文字で表現するのは極めてむずかしい。
一字ごとに説明すれば「オォ」と少し下がって「リョ」とやや上がり、次の「リョー」は犬があくびをするように驚きを強調して高く突き放してしまう言い方であった。
今、田ノ首ことばは、殆ど滅びてしまった。
七十歳以上の老人を集めて何時間も好き勝手なことを喋らせれば、案外、なつかしいアクセントの数々と、田ノ首方言が出てくるかもしれないが、テレビによる影響もあって、標準語に慣れてしまった現在では、それもむずかしい話ではないだろうか。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
非常にアクセントの強い言葉で、それでいて、どことなく、雅やかな響きがあった。
その上、田ノ首ことばによる老人たちの会話は、彦島に住んでいる者にさえも通じないことが多かった。
アクセント… その抑揚の激しさは、例えば、驚いた時に発する「オリョリョー」という感嘆詞の一種にも見ることが出来る。
この言葉は、北浦地方に土地の名を折り込んで
「矢玉タアタア、和久チューチュー、湯玉オリョリョー、小串ナッチュマアエエ」
という言葉遊びがあるので、湯玉やその近辺でも使われているはずだが、田ノ首の「オリョリョー」には、まるでソプラノ歌手によるアリアのような響きがあった。
この抑揚ぶりを文字で表現するのは極めてむずかしい。
一字ごとに説明すれば「オォ」と少し下がって「リョ」とやや上がり、次の「リョー」は犬があくびをするように驚きを強調して高く突き放してしまう言い方であった。
今、田ノ首ことばは、殆ど滅びてしまった。
七十歳以上の老人を集めて何時間も好き勝手なことを喋らせれば、案外、なつかしいアクセントの数々と、田ノ首方言が出てくるかもしれないが、テレビによる影響もあって、標準語に慣れてしまった現在では、それもむずかしい話ではないだろうか。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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