彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
豊関ことばについて 1
豊関ことばについて 1
その一 下関弁と私
二十数年前、学生時代を東京で過ごして、方言では何度も恥ずかしい思いをした。
お国コトバを使っても何も恥じることはないのだが、殊更に興味深い眼を差し向ける東京の人々の中にあっては、やはり、それを使うことに、ためらいがあった。
私だけでなく、地方から都会へ出てきた多くの若者たちは、たびたび寄り集まっては、その出身地の言葉を思い切り使って、孤独な都会生活の寂しさから逃れようとしていた。
お国コトバには、ふるさとへのつのる思いと、一種のやすらぎがある。
その方言が急速にすたれはじめたのは、戦後のことで、それも、テレビなどによるマスコミの影響が大きい。
もともと、我が国の「標準語」と呼ばれる言葉は、東京の山ノ手地方の方言を基底にしたものだと言われている。
つまり、東京弁と呼ばれる一つの方言にすぎない訳だ。
それを全国に普及し、標準語としたのは中央集権制度で、したがって、「くちい(苦しくなるほどお腹が一杯だ、という意)」などという言葉のように、広く普及しなかったものもある。
しかし全国的に使われない言葉であっても、それが東京コトバであるという単純な理由だけで辞書に収録されている場合が多い。
その逆に、広く知られていても、地方の匂いのする言葉は辞書に見当たらないという例も多い。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
その一 下関弁と私
二十数年前、学生時代を東京で過ごして、方言では何度も恥ずかしい思いをした。
お国コトバを使っても何も恥じることはないのだが、殊更に興味深い眼を差し向ける東京の人々の中にあっては、やはり、それを使うことに、ためらいがあった。
私だけでなく、地方から都会へ出てきた多くの若者たちは、たびたび寄り集まっては、その出身地の言葉を思い切り使って、孤独な都会生活の寂しさから逃れようとしていた。
お国コトバには、ふるさとへのつのる思いと、一種のやすらぎがある。
その方言が急速にすたれはじめたのは、戦後のことで、それも、テレビなどによるマスコミの影響が大きい。
もともと、我が国の「標準語」と呼ばれる言葉は、東京の山ノ手地方の方言を基底にしたものだと言われている。
つまり、東京弁と呼ばれる一つの方言にすぎない訳だ。
それを全国に普及し、標準語としたのは中央集権制度で、したがって、「くちい(苦しくなるほどお腹が一杯だ、という意)」などという言葉のように、広く普及しなかったものもある。
しかし全国的に使われない言葉であっても、それが東京コトバであるという単純な理由だけで辞書に収録されている場合が多い。
その逆に、広く知られていても、地方の匂いのする言葉は辞書に見当たらないという例も多い。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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