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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

餅の的 

餅の的
京都府の民話


 むかしむかし、田野(たの)という所は毎年毎年豊作でした。
 ですから田野の人々は、だんだんと、お米を作る苦労やお米のありがたみを忘れてしまったのです。
「今年も豊作で食べきれないから、取れたお米でお餅を作ろう」
「お餅を作ってもまだ余るな。お酒を造って飲みまくろう」
 こうして、お米でお餅やお酒を作っている内は良かったのですが、そのうち若者の一人がこんな事を言い出しました。
「ここにある鏡餅、どうせ食べきれないのだから、これを矢の的(まと)にしないか? 誰が一番上手に当てるか、腕比べをしようではないか」
「へえ、餅の的か。これは見た事も聞いた事もない話だ。面白い。さっそく始めるか」
 若者たちはワイワイ言いながら鏡餅にひもを付けると、庭先の木の枝に吊り下げました。
「さあ、誰が最初にやるんだ?」
「よし、おれがやろう」
 みんなが見ていると一人の男が弓に矢をつがえ、餅の的に目掛けて矢を放ちました。
 ヒュン!
 すると、餅の的に矢が当たった途端、不思議な事に餅は真っ白な鳥になって、南の空を目指して遠くへ飛んで行ってしまったのです。

 そしてこの時から、田野では少しもお米が取れなくなって、とても貧しい生活を送ることになってしまったそうです。

おしまい
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Posted on 2014/01/07 Tue. 11:32 [edit]

category: 日本の民話

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