彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
豊関ことばについて 5
豊関ことばについて 5
その二 下関弁の特徴
「下関に来て最初に腹が立ったのは、あいづちを打つのに『ああそうだ』と言わずに『アア、ソレソレ』と言われた時ですよ。まるで自分がからかわれているように思えてねぇ」
国鉄のSさんは遠い昔を思い出すような眼で私にこう言った。
何気なく口をついて出る言葉「アアソレカネ」とか「ソレソレ」とか「ホントデスカ」などは、聞きなれない人にとっては馬鹿にされているように聞こえるものらしい。
「行くホ」「どうするソ」などのように語尾に付ける「ホ」や「ソ」は、疑問、否定、肯定、いずれの場合にも使い分けるが、これはアクセントによって区分する。
「行くの、行かないの」と言う場合の「の」が、「ソ」「ホ」にあたる訳である。
「フン好き」という言葉も最近では死語になりつつあるが、下関らしいものの一つであろう。
この場合の「フン」は「とても」という意味である。
「フン好かん」となれば「大嫌い」。
「頭がワルイし、体はエライ」と言えば関東の人は驚くが、これなどは、頭痛はするし、体はだるい、という意味で愛嬌がある。
「壊れたラジオ、なおしとけよ」と言われて、
「ああ、洗濯物と一緒に、なおしたよ」と答えが返ってくれば、まるで通じていなかったことになる。
これは「修理しておけ」と言われて、「取り込んだ洗濯物と一緒に片付けた」と答えたからだ。
「背中をスッテやろうか」と親切に言って、
「スルんじゃなくて、流すんだろッ」と言われたことがある。
確かに「流す」が標準語になっているが、タオルに石鹸をなすりつけて「スッテ」から、湯で洗い「流す」から、「スル」という言葉もあやまりではない筈だ。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
その二 下関弁の特徴
「下関に来て最初に腹が立ったのは、あいづちを打つのに『ああそうだ』と言わずに『アア、ソレソレ』と言われた時ですよ。まるで自分がからかわれているように思えてねぇ」
国鉄のSさんは遠い昔を思い出すような眼で私にこう言った。
何気なく口をついて出る言葉「アアソレカネ」とか「ソレソレ」とか「ホントデスカ」などは、聞きなれない人にとっては馬鹿にされているように聞こえるものらしい。
「行くホ」「どうするソ」などのように語尾に付ける「ホ」や「ソ」は、疑問、否定、肯定、いずれの場合にも使い分けるが、これはアクセントによって区分する。
「行くの、行かないの」と言う場合の「の」が、「ソ」「ホ」にあたる訳である。
「フン好き」という言葉も最近では死語になりつつあるが、下関らしいものの一つであろう。
この場合の「フン」は「とても」という意味である。
「フン好かん」となれば「大嫌い」。
「頭がワルイし、体はエライ」と言えば関東の人は驚くが、これなどは、頭痛はするし、体はだるい、という意味で愛嬌がある。
「壊れたラジオ、なおしとけよ」と言われて、
「ああ、洗濯物と一緒に、なおしたよ」と答えが返ってくれば、まるで通じていなかったことになる。
これは「修理しておけ」と言われて、「取り込んだ洗濯物と一緒に片付けた」と答えたからだ。
「背中をスッテやろうか」と親切に言って、
「スルんじゃなくて、流すんだろッ」と言われたことがある。
確かに「流す」が標準語になっているが、タオルに石鹸をなすりつけて「スッテ」から、湯で洗い「流す」から、「スル」という言葉もあやまりではない筈だ。
冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2021/06/14 Mon. 09:38 [edit]
category: 下関弁辞典
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