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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

左眼が細い 

左眼が細い


 今から八百年も昔の話。

 ある秋風の身に沁む夕刻、里の西南の海から、一筋の光が立ちのぼっているのを漁師が見つけた。漁師は早速、島の人びとに知らせ、人びとは河野通次にも報告した。
 大急ぎで駆けつけた通次は、矛を片手に海中に飛び込み、光を指して泳いだ。そして、その中ほどに矛を突きさすと、八幡尊像があがって来た。尊像の背面には、河野八幡、と刻まれていたが、いたわしいことに、矛は尊像の左眼を貫いていた。

 さっそく通次は舞子島に祠を建て、光格殿と名付けて島の守り本尊にしたが、そり以来、彦島の十二苗祖と呼ばれる人びとは、代々、現在に至るまで左眼が細いといわれている。


富田義弘著「平家最後の砦 ひこしま昔ばなし」より
(注)
『サイ上り神事』が明鏡であるのに対し、こちらは『八幡尊像』となって居り、しかも『河野八幡』と彫られてあったという所が、どうも出来すぎている。
 また『左眼が細い』という話の他に、『右眼が二重瞼であるのに対し左眼は一重である』と伝える説もあるようだ。
『硯海の楽土』という本によれば、明鏡を引き揚げたのは矛という記録と網であったという記録とがあるという。
 しかし、『サイ上り神事』や、『左眼が細い』などの伝説を尤もらしくさせる為には、やはり『網』でなく、『矛』でなければならないだろう。
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Posted on 2019/12/04 Wed. 10:16 [edit]

category: ひこしま昔ばなし

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孫文蓮 

孫文蓮


長府庭園(下関市長府黒門東町)の園内には、「孫文蓮」と呼ばれる蓮の花が咲きます。
白地に淡いピンクの花をつける孫文蓮は、夜明けとともに咲き始めて早朝に満開となり、午後には再び花を閉じます。
これを4回繰り返し、4日目には全ての花弁を落として花托となります。
1年のうちでも限られた時期、また1日のうちでも限られた時間にしかその華麗な美しさを見せない孫文蓮を是非ご観賞ください。

【場所】
長府庭園の正門を入って左手、書院の横および奥の池

【開花時期】
例年は、7月中旬から8月中旬まで
※花弁は午前11時頃に閉じてしまいます。

孫文蓮

大正7年(1918)に日本 に亡命していた中国革命の父と言われる孫文が革命援助のお礼として、長府在住の田中隆氏に4粒の蓮の実を贈りました。
その後、昭和35年に田中氏の四男隆盛氏によりハス博士大賀一郎氏に発芽育成が依頼され、昭和37年東京大学農学部付属緑地実験所において4粒のうち1粒が発芽し、「孫文蓮」と名づけられ平成6年に長府庭園へと分根されました。
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Posted on 2019/12/04 Wed. 09:16 [edit]

category: 下関あれこれ

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