彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
ミニ水族館
ミニ水族館
駅のコンコースの東口寄り、押しボタン式の市内観光案内板のそばに大きな水槽があり、鯛や黒鯛、カレイ、タコ、伊勢海老などが悠然と泳いでいる。
駅の水族館とか豆水族館、あるいはミニ水族館などと呼ばれて多くの市民に親しまれているが、駅裏の海岸が埋め立てらりてからは、汐水が遠くなったせいか時々故障するようだ。
それでも駅舎の近くに貯水槽と濾過器を設置しているので、常に四トンの水が循環している。
この水槽の魚の世話は、長府にある下関水族館の職員が責任を持って当たっている。
そして時折、魚の入れ替えもしているが、冬と夏とでは水温の関係でその種類は殆ど一変してしまうらしい。
つまり、夏になると熱帯性の魚を入れるわけである。
「もしもし、夕方六時に駅の水族館のそばで待ってるワ」
という声は、あちらこちらの公衆電話でよく聞かれる。
かなり以前にも、相手が長府の水族館と間違えて、ついに逢えなかったというまるで映画でも見るような悲劇もあったらしいが、今ではすっかり市民にお馴染みとなったようだ。
だから、この水槽の周りには、いつも人待ち顔が寄り集まっていて、泳ぐ魚たちも心なしか面映ゆげである。
人々の待ち合わせの場所、このミニ水族館は、東京でいえばさしずめ渋谷のハチ公というところか。
さて、この下関駅は、市内のほぼ中央にあって東と西に玄関を有している。
従って市民には駅に用事がなくとも、東から西、西から東へと往来するたびに駅を通ることになる。
ということは、これほど多くの市民に親しまれ利用され、愛されている駅は全国でも稀ではないかと考えたくもなるのだ。
水槽の魚たちは毎日、何万人という人々に眺められて倖せと迷惑のどちらを感じているであろうが。
冨田義弘著「下関駅周辺 下駄ばきぶらたん」
昭和51年 赤間関書房
駅のコンコースの東口寄り、押しボタン式の市内観光案内板のそばに大きな水槽があり、鯛や黒鯛、カレイ、タコ、伊勢海老などが悠然と泳いでいる。
駅の水族館とか豆水族館、あるいはミニ水族館などと呼ばれて多くの市民に親しまれているが、駅裏の海岸が埋め立てらりてからは、汐水が遠くなったせいか時々故障するようだ。
それでも駅舎の近くに貯水槽と濾過器を設置しているので、常に四トンの水が循環している。
この水槽の魚の世話は、長府にある下関水族館の職員が責任を持って当たっている。
そして時折、魚の入れ替えもしているが、冬と夏とでは水温の関係でその種類は殆ど一変してしまうらしい。
つまり、夏になると熱帯性の魚を入れるわけである。
「もしもし、夕方六時に駅の水族館のそばで待ってるワ」
という声は、あちらこちらの公衆電話でよく聞かれる。
かなり以前にも、相手が長府の水族館と間違えて、ついに逢えなかったというまるで映画でも見るような悲劇もあったらしいが、今ではすっかり市民にお馴染みとなったようだ。
だから、この水槽の周りには、いつも人待ち顔が寄り集まっていて、泳ぐ魚たちも心なしか面映ゆげである。
人々の待ち合わせの場所、このミニ水族館は、東京でいえばさしずめ渋谷のハチ公というところか。
さて、この下関駅は、市内のほぼ中央にあって東と西に玄関を有している。
従って市民には駅に用事がなくとも、東から西、西から東へと往来するたびに駅を通ることになる。
ということは、これほど多くの市民に親しまれ利用され、愛されている駅は全国でも稀ではないかと考えたくもなるのだ。
水槽の魚たちは毎日、何万人という人々に眺められて倖せと迷惑のどちらを感じているであろうが。
冨田義弘著「下関駅周辺 下駄ばきぶらたん」
昭和51年 赤間関書房
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- 下関駅周辺下駄ばきぶらたん より (2019/09/12)
- ミニ水族館 (2019/09/11)
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Posted on 2019/09/11 Wed. 09:36 [edit]
category: ぶらたん
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