05 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.» 07

彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

往生の薬 

『往生の薬』― 山口県 ―


 むかし、むかし、あるところに姑(しゅうとめ)と嫁(よめ)とが一緒に暮らしていたそうな。
 姑と嫁はたいそう仲が悪かったと。
 姑は嫁のやることなすことすべて寸足らずに思えてならないし、嫁は嫁でこごと屋の姑とこの先ずうっとひとつ屋根の下に住んでおらにゃならんかと思うと、つらくてつらくて辛棒(しんぼう)出来んようになっていた。
 あんまり姑が嫁をいびるので、ある日、嫁はお寺の和尚さんのところへ行って、
「和尚さま、和尚さま、家の姑さんはひどうて、ひどうて、はあ、わたしゃぁ一緒におるのがつろうてなりません。出来るものなら和尚さま、姑さんを往生させて下さいませんか」
というた。和尚さん、
「なんぼなんでも、まんだピンピンしとる者(もん)を往生さすっちゅうのはな。そら出来んでえ」
というた。
「そんなら和尚さま、誰れにも知れんように、薬を盛(も)って下さりませえ」
「ほうか、そこまで思いつめたか。うーん。そいじゃぁ、絶対に人に言うんじゃないで。ええかや。そいからの、にわかに殺すと他人(ひと)が疑うけえ、ぼつぼつ弱ったあげくに、すうっと死ぬるような薬をあげよう。まあ七日(なぬか)もすりゃたいてい弱って、枯木(かれき)が倒れるように死ぬるじゃろう。そのかわり、七日の間、どんなにつらくとも、せつなくとも、この和尚のいうとおりにするかや」
「はい、七日じゃけえ、どんなことでも」
「よしよし、そいじゃぁ、これから七日ほど、ご飯に薬をまぜて食べさすんじゃ。そいでな、その間は、姑がどんなことをいうても、はい、はいちゅうて、いう通りにするんじゃ。どんなに無理をいわれても、はいはい言うんじゃぞ」
 和尚さん、こう念(ねん)おししたと。
 嫁は、お寺から帰ってきて、三度三度のご飯のなかに、薬を混ぜては姑に食べさせたと。
 姑から何をいわれても、はいはいで通したそうな。
 そうして、どうやら七日間が過ぎた。が姑はなかなか弱りそうにない。それどころか、姑がだんだん無理を言わなくなって、その分優しくなってきたそうな。
 嫁は、“死ぬる前には仏のようになる”とはよく聞く話だ。姑が幾分優しくなってきたのは、死ぬる時期(じき)が近くなってきたからにちがいない、と思うた。
 また、お寺に行って、和尚さんにこのことを話した。そしたら和尚さん、
「そうか、そうか」
というて、にこにこして聞いている。
「薬を、もう少し下さいませ」
「それじゃ、もう七日分あげようかの。そのかわり、また、姑が何をいうても、はいはいって叶えてやるんじゃぞ。こんだぁ、いよいよ薬が効いてきて、死ぬるじゃからの」
「はい」
 嫁は、家に帰ってきて、また、和尚さんのいわれたとおりにしたと。
 そしたら、何日か経ったころ、姑が町へ行って、いい着物を買(こ)うてきた。姑は嫁に、
「これ、お前に買うてきた。このごろわしにようしてくれているので、わしゃ、嬉しくての」というた。
 たまげた嫁は、なんもかんも放(ほ)っぽり出して、あわててお寺へ行き、
「和尚さま、和尚さま、おおごとでございます。早(は)よう姑さんを助ける薬を作って下さいませ。姑さんを往生させたいなんて、とんでもない考えをしちょりました。早よう、何とかして下さりませ」
というて、和尚さんの衣(ころも)をつかんで大騒ぎだと。
「よいよい、そんなにあわてなくともよいわ。姑は死にゃぁせん。なぁ嫁さんや、お前が姑のいうことを聞かんから、姑はぐちるのじゃ。お前がはいはいと返事すりゃぁ、姑もかわいがってくれる。なぁ、いいかや。人にしてもらうよりは、先に、人にしてあげなくてはならんのじゃ」
「和尚さま、このたびはそれがようわかりました。これからは姑さんと仲ようしますから、死なんですむ薬を早よう作って下さいませ。今まで、私は心に鬼を棲(す)まわしておりました。なんという恐ろしいことを考えていたもんだか。ああ、おそろしい」
というて、嫁は泣いたと。
 和尚さん、それを見て、にこにこして、
「泣かんでもよい、泣かんでもよい。姑は死にゃぁせん。あの薬はのう、葛粉(くずこ)じゃった。滋養になりこそすれ、死にゃぁせん。これからは仲よう暮らしなさい」
と、こういうたと。
 心がはれた嫁は、姑と仲よう暮らしたと。

 これきりべったりひらの蓋


再話 六渡 邦昭
提供 フジパン株式会社
関連記事

Posted on 2019/06/30 Sun. 10:32 [edit]

category: 山口むかし話

TB: --    CM: 0

30

下関観光検定074 

【質問】

亀山八幡宮の境内には、周辺を埋め立てる際、人柱となった人の名前を冠したイチョウの木があります。
このイチョウの木はなんと呼ばれているでしょうか。

【答え】

お亀イチョウ

【解説】

亀山八幡宮周辺を埋め立てたとき、工事が難航し、稲荷町の遊女のお亀という女性が、自分の身をなげうって人柱になり、そのおかげで工事が完成。
そのお亀の功績を称えて、記念としてイチョウの木を植えました。
これを「お亀銀杏」と呼んでいますが、お亀にはあばたがあり、この銀杏の実にもあばたがあるといいます。
また、この埋め立てで出来た広い浜を八丁浜といいます。


関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
関連記事

Posted on 2019/06/30 Sun. 10:18 [edit]

category: 下関観光検定

TB: --    CM: 0

30

彦島ピラミッド 

彦島ピラミッド


彦島にも「ピラミッド」が存在するといわれている事をご存知ですか。
彦島ピラミッドとは、山中町、弟子待町、桜ヶ丘町の三町にまたがって左右が完璧に対称の美しい稜線を見せる小高い山のことです。
ここが日本のピラミッドの特徴と一致するのです。
一例をあげると「頂上に巨石がある」「参道に人が加工した形跡のある巨石が多数ある」等があげられます。
またペトログラフも関連するのではないかといわれています。
インターネットのサイトで検索すると色々と浪漫溢れる情報があります。
信じるか信じないかは、あなた次第です。


彦島商店会発行「もっと知りたい! 彦島」より
関連記事

Posted on 2019/06/30 Sun. 10:16 [edit]

category: 彦島あれこれ

TB: --    CM: 0

30

カッパの贈り物 

カッパの贈り物


 むかしむかし、一頭のウマが川辺で草を食べていると、川の中からカッパが現れました。
 カッパはウマのたずなを自分の体に結びつけると、ウマを川に引きずり込もうとしました。
「ヒヒーン!」
 びっくりしたウマは、近くのお百姓(ひゃくしょう)の家に飛び込みました。
「なんだ! なんだ!」
 ウマが急に飛び込んで来たので、おどろいた家の人がウマを調べると、たずなの先に目を回したカッパがぶらさがっていました。
「はは~ん。カッパが、また悪さをしようとしたな。もう二度と悪さが出来んように、頭の皿を割ってやる!」
 お百姓がカッパの頭の皿をなぐりつけようとすると、目を覚ましたカッパが手を合わせて命ごいをしました。
「頭の皿を割られては、死んでしまいます。もう二度と悪さはいたしませんから、どうか助けてください」
 お百姓はカッパの頭の皿を割るのはやめましたが、こらしめるために縁側(えんがわ)の柱にしばりつけておきました。

 その日のタ方、お百姓の娘がウマに水をやろうと、水を入れたおけを持ってやって来ました。
 そして足をつまずいて、おけの水をカッパの頭にかけてしまったのです。
 カッパにとって水は、元気のみなもとです。
 頭のお皿に水がたまったカッパは元気を取り戻すと、しばられていたつなを引きちぎって逃げてしまいました。

 さて、それからしばらくして、お百姓の娘がお嫁に行く事が決まりました。
 家の人がふと見ると、縁側にお酒の入ったたるが置いてありました。
「あら、祝いの酒だわ。誰からかしら?」
 次の朝は、大きくて立派なタイが三匹も置いてありました。
「今度は、祝いのタイだわ。本当に、誰からかしら?」
 その晩、不思議に思った家の人が、物かげにかくれて縁側を見張りました。
 するとこの間のカッパが現れて、今度は水神さまのお札(ふだ)を置いていったのです。
 娘に助けられたと思ったカッパが、娘の嫁入りの祝いを持って来ていたのです。

 それからもカッパは色々な祝いを持ってきましたが、うわさを聞いた大勢の村人がカッパを見に来るようになったので、それに気づいたカッパは二度と現れなくなったそうです。


山口県の民話 福娘童話集より
http://hukumusume.com/douwa/index.html
関連記事

Posted on 2019/06/29 Sat. 09:36 [edit]

category: 山口むかし話

TB: --    CM: 0

29

下関観光検定073 

【質問】

明治維新後廃仏毀釈により、安徳天皇をまつっていたお寺の御影堂が赤間神宮となりました。
赤間神宮の前身ともいえるこのお寺はなんというお寺だったでしょうか。

【答え】

阿弥陀寺

【解説】

安徳天皇をおまつりしていたのは阿弥陀寺の御影堂でした。
ここで安徳天皇のご命日には、先帝会を行い御霊を弔っていました。
江戸時代には、この阿弥陀寺は、朝鮮通信使一行の宿所になったりしています。
現在は赤間神宮となっていますが、阿弥陀寺町という町名が残っています。


関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
関連記事

Posted on 2019/06/29 Sat. 09:32 [edit]

category: 下関観光検定

TB: --    CM: 0

29

西山化石層 

西山化石層


下関市指定文化財(天然記念物)
西山海岸一帯や六連島には、北九州の芦屋層群に属する化石を含んでいる砂岩の層が広く露出しているのが見られる。


彦島商店会発行「もっと知りたい! 彦島」より
関連記事

Posted on 2019/06/29 Sat. 09:07 [edit]

category: 彦島あれこれ

TB: --    CM: 0

29

沖田のツル 

沖田のツル


今からおよそ百三十年前、宇部村(うべむら)に岡又十郎(おかまたじゅうろう)という若さむらいがいた。
又十郎は毛利藩(もうりはん)福原元僴(ふくはらもとたけ)の家来で、大鳥方(おおとりかた)という役目であった。
大鳥方というのは、毎日、野山をかけめぐって、鳥やけものをとらえる役目だ。

 ある年の秋のくれのことだ。
― 今日はどうしたというのだ。鳥の一羽、けもの一ぴきとれない
又十郎は少し気をおとして、家路についた。秋は日ぐれがはやい。沖田まで来ると、夕もやのかかった田の中に白いものが動いている。
目をすかしてみると、それは二羽のツルだった。一羽は、もう一羽よりずっとからだが大きい。
― しめしめ。これでやっときょうの仕事ができた
又十郎は鉄ぽうをかまえて、ズドンと一発うった。
ぱたっと一羽のツルがたおれた。小さいツルは、おどろいて空に飛び上がった。
― ようし、とのもきっとお喜びになるぞ
かけていってツルをひらいあげると、どうしたことか首がない。
― これはこまった。首なしの鳥はえんぎがわるい。これではとのにさしあげることもできない
又十郎はそこらあたりを、手さぐりでさがした。
けれども、首はとうとうさがしだすことはできなかった。
又十郎はがっかりして、首のないツルをぶらさげてわが家に帰った。

 それから一年たった。又十郎はいつものようにえものをもとめて野山をかけまわったあと、沖田までやってきた。
時こくもちょうど去年と同じころだった。ちち色の夕もやが野や田畑の上にかかっている。
― 去年も同じだったな
ふとそう思って、なにげなく田のほうを見ると、あのときと同じところに、ツルがいるではないか。
こんどは一羽だ。又十郎は自分の目をうたがった。目をこすって、もう一度見た。まちがいない。ツルだ。
― ようし、こんどは足をねらってやろう
又十郎はねらいをさだめてひきがねをひいた。
ねらいたがわず、ツルはぱたりとその場にたおれた。
又十郎はゆっくりと近づいていって、ツルを拾い上げた。
ぽろりと落ちるものがあった。見ると、一本のくだのようだ。手にとって、又十郎は、「あっ。」とさけんだ。
それはツルの首であった。せすじを冷たいものがすべり落ちた。
― さては、二羽のツルはめおとであったか
かわいそうなことをしてしまった。
又十郎は、いまうたれたツルが、夫の首をつばさにだいてずっとくらしてきたことに気づいた。

 そのあくる日、又十郎はとのさまのお役ごめんを申し出た。
その後まもなく、山深い万倉(まぐら)の里で百しょうをしている又十郎のすがたが見られたという。


「山口の伝説」(株式会社日本標準)より
協力/山口県小学校教育研究会国語部


ことば

毛利藩(もうりはん)
むかし中国地方をおさめていたとの様の領地

ねらいたがわず
ねらったとおりに

めおと
ふうふ

お役ごめん
役をやめること

万倉(まぐら)の里
今の山陽小野田市(さんよおのだし)万倉


ポイント

動物たちにも、わたしたちと同じように家族がいます。
そしてわたしたちと同じように、それぞれの動物にとっても家族は大切なものです。
今、わたしたち人間によって自然がこわされていますが、それが動物たちの家族をかなしませていることについて考えてみましょう。
関連記事

Posted on 2019/06/28 Fri. 10:25 [edit]

category: 山口むかし話

TB: --    CM: 0

28

下関観光検定072 

【質問】

戦前・戦中は関釜連絡船として、戦後は朝鮮半島からの引き揚げ船として活躍した船で、使われた錨が現在岬之町に設置されていますが、その船は何という船でしょうか。

【答え】

興安丸

【解説】

関釜連絡船として活躍した興安丸は、日本で最初に全室冷暖房を完備した、昭和を代表する客船でした。
敗戦後は、海外邦人の引き揚げ、在日コリアンの帰国輸送などにあたっていました。
昭和45年に広島県三原市で解体された後、現在岬之町に錨の一つが設置されています。


関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
関連記事

Posted on 2019/06/28 Fri. 10:22 [edit]

category: 下関観光検定

TB: --    CM: 0

28

平家踊り「ヤットエーソラエのヤットエノエ」と彦島 

平家踊り「ヤットエーソラエのヤットエノエ」と彦島


平家の持仏をまつっている本村町にある西楽寺。
この寺を開いた西楽法師が、ある時お寺にお参りに来ていた里人の心の内を聞きました。
壇ノ浦の合戦から90年も経ったある日のことでした。
彦島の里人の多くは平家の落人で、90年たった今でも平家の再興の日を心待ちにしながら日々の瀬手活を送っていました。
西楽法師は平家の再興を願うことももっともなこととは思いましたが、もう現在は鎌倉の時代となり、平家の一門もその中心は壇ノ浦の海に沈み、残った武者も、この彦島をはじめ全国にちりじりになっており、平家の再興はもはや望むことの出来ないものであることと思いました。
西楽法師は、何日もの時間をかけて、平家の再興のことは忘れ、彦島の開拓や自分の子孫がこの島で幸せに暮らせるようになることだけを願い、開墾や農作業に精を出すよう、里人達を説得しました。
里人はなかなか納得しませんでしたが、やがて西楽法師に心を開き、そのすすめを受け入れました。
西楽法師は「良かった、私の言っていることをわかってくれましたか。本当に良かった。(ヤットエー、ソラエノ、ヤットエノエー)」と涙を流しました。
里人達も「私たちの未来はすべて法師にお任せして、彦島の開拓に励みましょう。(アーリャ、アリャマカショイ)」と誓ったとの事です。(十二苗祖の誓い)
この時の会話が、毎年の地蔵まつりの踊りに取り入れられ、やがて「平家踊り」へと発展していったとのことです。


彦島商店会発行「もっと知りたい! 彦島」より
関連記事

Posted on 2019/06/28 Fri. 09:17 [edit]

category: 彦島あれこれ

TB: --    CM: 0

28

カッパと寿円禅寺 

カッパと寿円禅寺(じゅえんぜんじ)


 むかしむかし、ひどい日照りが続いて、田んぼも畑も枯れ果ててしまいました。
 こまったのは、人間だけではありません。
 竜が淵(りゅうがふち)に住んでいたカッパも、日照りで魚が死にたえてしまったので食べる物がありません。
 空腹にたえきれなくなったカッパは、悪いとは思いつつ、近くの自住禅寺(じしゅうせんじ)の放生池(ほうしょういけ)のコイを一匹、食べてしまいました。

 この頃、近くの鐘乳洞(しょうにゅうどう)に自住禅寺の寿円禅師(じゅえんぜんじ)が入って、苦しむ百姓(ひゃくしょう)たちを救うために雨乞い(あまごい)のお祈りをはじめていました。
 これを見たカッパは、
「わしが池のコイを食べたので、のろい殺そうというのじゃな」
と、勘違いして、あれこれとお祈りのじゃまを始めました。
 しかし禅師(ぜんじ)は気にもとめず、一心にお祈りを続けました。
「この坊さん、他人のためにここまでするとは」
 心をうたれたカッパはいつしか禅師の弟子となり、禅師のお手伝いをするようになりました。
 そしていよいよ満願(まんがん)の朝、禅師の祈りが天に通じたのか、どこからともなく黒雲が姿を現して、雷をともなう大雨となったのです。
「御仏(みほとけ)は、わたしの願いをお聞きくだされた!」
 禅師は、よろめく足で鍾乳洞から出て行きました。
 弟子となったカッパも、
「これで、わしの罪(つみ)もゆるされよう」
と、禅師に続いて出てみると、禅師が竜が淵の一枚岩(いちまいいわ)の上に立っていたのです。
 実は雨乞いの願いがかなえられた禅師は、そのお礼に自分の命を天にささげようとしたのです。
(あぶない!)
 カッパは駆け出しましたが、禅師はそのまま淵に身を投げてしまいました。
 カッパは禅師をお助けしようと淵に飛び込みましたが、さすがのカッパも大雨の濁流(だくりゅう)ではうまく泳げません。
 カッパは濁流にのみこまれながらも、禅師を助けようとがんばりました。
 岩肌に体をぶつけ、大切な頭の皿も割れてしまいましたが、カッパは最後の力をふりしぼって禅師の体を何とか川岸に引き上げました。
「禅師さま! 禅師さま、ご無事ですか!」
 しかしすでに、禅師は息絶えていました。
「そんな・・・」
 そしてカッパも力つきて、そのまま川下に流されてしまいました。

 やがてこの事を知った村人たちは、禅師の遺体(いたい)を荼毘(たび)にふすと共に、このけなげなカッパを『禅師河童(ぜんじかっぱ)』とたたえて、手厚(てあつ)くとむらったそうです。


山口県の民話 福娘童話集より
http://hukumusume.com/douwa/index.html
関連記事

Posted on 2019/06/27 Thu. 11:17 [edit]

category: 山口むかし話

TB: --    CM: 0

27