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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

ガンダ浴の物語 

ガンダ浴の物語


昔むかし、ある港のガンダの浴(「ガンダ」は地名。「浴」は山にはさまれた狭い土地)に夫婦と一人の娘の家族がいました。
家族は半農半漁で仲良く暮らしておりました。

一人娘は、利口で働き者、そのうえ目はぱっちりの器量良し。
となれば、村の若者たちはその魅力に惹かれ、彼女は憧れの的でした。
娘には多くの縁談がありましたが、彼女はなぜか、つぎつぎにそれを断ってきました。

両親は、まったく結婚する気のない娘を大変気遣っておりました。
じつは、娘には人に知られたくない秘密があったのです。
縁談を断るたびに娘は心を痛めていたのでした。

ある夏のことです。
ガンダの浴に白い雲が低く垂れると、辺り一面が薄暗くなりました。
驚いたことに、その白い雲に年配の雷夫婦が乗っているではありませんか。

白い雲から降りた雷夫婦は、その足で一人娘の家を訪ねました。
両親に会い、挨拶を交わしたのち、遠慮がちに今日訪れたわけを話し出しました。

このたび突然お伺いいたしましたのは、うちの息子の縁談のことでございます。
先日の暑い日のこと、息子はいつものように白い雲に乗って空中を飛び回っていました。
その時ちょうど、お宅の娘さんがたらいで水浴びをしておられたのです。
息子は娘さんの美しいはだかの姿を見初めてしまいました。

その日からというもの、息子は娘さんのことが忘れられなくなってしまいました。
日に日に恋心がつのり、ついに「ぜひ娘さんをもらってくれ」と毎日のように催促される始末でございます。
どうしたものかと私たちは困り果て、息子に「なにぶん相手は人間さまの娘、私たちは雷だから」と言い聞かせますが、息子は納得してくれません。
そこで無理は承知でご相談にまいったわけでございます。
もしこの縁談をご承諾いただければ、これほどうれしいことはありません。
雷の世界には、お金も財産もありません。
そのかわり、水や雲、稲妻は無尽蔵でございます。
日照りになっても、この浴に水を絶やすことはいたしません。
今申し上げたことは、しっかりお約束いたします。

娘の両親は、思いもかけぬ雷家からの求婚話に気を失わんばかりの驚きでした。
しかし、申し出を無下に断るわけにもいかず「しばらく考えさせてください」と、体良くその場を取り繕いました。

雷夫婦が帰ると、両親は雷さんの息子から求婚があったことを娘に伝えました。
両親の話をじっと聞いていた娘は
「私は雷の息子さんと結婚します。
あの息子さんは私の悩みを知っています。
それを承知で私に結婚を申し込まれたのです。
きっと私を大事にしてくれます。
どうかこの結婚を許してください。
お願いします」
と、ためらいもなく答えました。

まったく意外な娘の言葉に、両親は天地が逆さまになるほど驚きました。
娘の決意の強さを知って両親は肩を落としました。

お前ほどの非の打ち所のない娘は、どんな大金持ちからでも声がかかると思っていたのに…。
と、つぶやきながら深いため息をつきました。

両親は仕方なく雷家に娘の気持ちを伝えたのです。
両家の縁談は目出度くまとまりました。
結婚式には雷神さまが仲人の役をつとめられることになりました。
挙式は十五夜の日と決まり、その夜は祝福された空模様となり、満月はこうこうと天地を照らしました。

仲人の雷神さまは黄金の雲に乗って花嫁を迎えに来られました。
そして両親にお祝いのことばを述べ、花嫁に手を差し伸べて黄金の雲に乗せたのです。
両親と花嫁は別れがつらく涙にくれました。
花嫁は気を取り戻したものの、黄金の雲の上から手を振るのが精一杯でした。

黄金の雲が遥か彼方へと去るや否や、真っ黒な雲がむくむくとガンダの浴の空いっぱいに広がりました。
やがて黒雲から大粒の雨が激しく降り出しました。
ガンダの浴の人々は小躍りして歓喜の声をあげました。

じつのところ、この年は日照りで草木も枯れ、飲み水や食料などが不足して、人々は飢えに苦しんでいたのでした。
思いもかけぬ祝いの雨が浴をうるおして人々は生き返りました。

浴の人々は山に祠を建てて一人娘の霊をまつりました。
その後、村人は雨のない年になると、この祠にお参りして雨乞いをしたといいます。

人に言えない娘の秘密とは…。

それは並外れた出べそであったとか、
雷にへそを取られた一人の娘が村を救ったお話です。


藤井かくいち著「海辺の昔ばなし」より

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Posted on 2019/05/23 Thu. 10:49 [edit]

category: 山口むかし話

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下関観光検定037 

【質問】

源平最後の戦い、壇之浦合戦で平家の総大将は平宗盛でしたが、気の弱い宗盛を補佐して平家の軍事的統率の役割を担っていたのは誰でしょうか。

【答え】

平知盛

【解説】

平知盛は、平清盛の四子。
兄・重盛、父・清盛が死んでから後は、三男の宗盛が平家の総帥となるが、知盛は平家随一の知将として気の弱い宗盛を補佐し、平氏の軍事的統率の役割を担いました。
源平最後の合戦、壇之浦の戦いでは、一門の最後を見届けて入水しました。


関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
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Posted on 2019/05/23 Thu. 10:31 [edit]

category: 下関観光検定

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ひこしま昔ばなしより 

ひこしま昔ばなしより
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Posted on 2019/05/23 Thu. 10:14 [edit]

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