彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
下関観光検定014
【問題】
彦島にある福浦金刀比羅宮の石段は、あることで日本一だと言われています。
何が日本一なのでしょう。
【答え】
勾配
【解説】
福浦金刀比羅宮は、文政2年に、海防と福浦湾の繁栄を図るために、長府藩11代藩主毛利元義が忌宮神社の境内に祀っていた金刀比羅宮を福浦に移したものです。
その石段は、日本で最も急勾配な石段と言われています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
彦島にある福浦金刀比羅宮の石段は、あることで日本一だと言われています。
何が日本一なのでしょう。
【答え】
勾配
【解説】
福浦金刀比羅宮は、文政2年に、海防と福浦湾の繁栄を図るために、長府藩11代藩主毛利元義が忌宮神社の境内に祀っていた金刀比羅宮を福浦に移したものです。
その石段は、日本で最も急勾配な石段と言われています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
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Posted on 2019/04/30 Tue. 15:58 [edit]
category: 下関観光検定
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30
まだわからん
まだわからん
むかしむかし、何日も何日も日照りの続いた年がありました。
「せっかく蕎麦(そば)をまいたばかりなのに、このままでは蕎麦が全滅してしまうぞ」
お百姓はそう言いましたが、何日かたって孫が畑へ行ってみると、少しも雨が降っていないのに蕎麦が青々と生えていたのです。
「じいちゃん! じいちゃん! 蕎麦が生えているぞ!」
それを聞いたお百姓も、大喜びです。
「そうか、そうか。蕎麦は少々の日照りでも生えると言うが、今年の様なひどい日照り続きでも生えてきたか。だが、蕎麦の花が咲いて、蕎麦の実を実らせるまでは安心は出来んぞ」
するとそれから何日かたって孫が畑へ行ったら、蕎麦が大きくなって花を咲かせていたのです。
「じいちゃん! じいちゃん! 畑一面に蕎麦の花がまっ白に咲いているぞ。これで蕎麦が食えるな」
「いいや、まだまだ。ちゃんと実るまではわからんて」
それからまた何日かたって、再び畑へ行った孫が言いました。
「じいちゃん! じいちゃん!
蕎麦に、まっ黒い三角の実がいっぱい実っているぞ。
これで間違いなしに、蕎麦は食えるな」
しかしお百姓は、首を横に振って、
「いいや、物事は最後の最後までわからんぞ」
と、言うので、孫はお百姓をせかして言いました。
「それじゃあ、今から蕎麦刈りをしよう」
そこで二人は蕎麦を刈って、刈った蕎麦を干して、それから家へ持って帰って叩いて蕎麦の実を取り出しました。
「じいちゃん! じいちゃん! これでもう蕎麦が食えるな」
孫がそう言いましたが、お百姓はやはり首を横に振って、
「いいや、まだわからんぞ」
と、言うのです。
そこで孫は蕎麦を臼(うす)にかけて粉をひいて、その粉に少しずつ水を入れてこねると板状にして包丁で細長く切りました。
そして熱々のお湯で蒸すと、いよいよ蕎麦の完成です。
すると孫が、お百姓にニンマリと笑って、
「じいちゃん! じいちゃん! これでいよいよ蕎麦が食えるな。なんぼ、じいちゃんでも、ここまでくれば、『いいや、まだわからんぞ』とは、言わんだろう」
と、言いました。
ところがお百姓は、
「いいや、まだわからんぞ。口に入るまではな」
と、言うのです。
すると孫は、ケラケラと笑って、
「いくら何でも、そこまで心配する事は」
と、その蕎麦をそばつゆにもつけずに、口の中にかきこもうとしましたが、
「あっ!」
と、孫はうっかり手を滑らせて、蕎麦をざるごと目の前の囲炉裏の灰にぶちまけてしまったのです。
するとお百姓は、
「それ見ろ、だからわしは、物事は最後の最後までわからんと言っただろう」
と、笑いながら言って、はんべそをかく孫に自分の分の蕎麦を食べさせてやったと言うことです。
山口県の民話 福娘童話集より
http://hukumusume.com/douwa/index.html
むかしむかし、何日も何日も日照りの続いた年がありました。
「せっかく蕎麦(そば)をまいたばかりなのに、このままでは蕎麦が全滅してしまうぞ」
お百姓はそう言いましたが、何日かたって孫が畑へ行ってみると、少しも雨が降っていないのに蕎麦が青々と生えていたのです。
「じいちゃん! じいちゃん! 蕎麦が生えているぞ!」
それを聞いたお百姓も、大喜びです。
「そうか、そうか。蕎麦は少々の日照りでも生えると言うが、今年の様なひどい日照り続きでも生えてきたか。だが、蕎麦の花が咲いて、蕎麦の実を実らせるまでは安心は出来んぞ」
するとそれから何日かたって孫が畑へ行ったら、蕎麦が大きくなって花を咲かせていたのです。
「じいちゃん! じいちゃん! 畑一面に蕎麦の花がまっ白に咲いているぞ。これで蕎麦が食えるな」
「いいや、まだまだ。ちゃんと実るまではわからんて」
それからまた何日かたって、再び畑へ行った孫が言いました。
「じいちゃん! じいちゃん!
蕎麦に、まっ黒い三角の実がいっぱい実っているぞ。
これで間違いなしに、蕎麦は食えるな」
しかしお百姓は、首を横に振って、
「いいや、物事は最後の最後までわからんぞ」
と、言うので、孫はお百姓をせかして言いました。
「それじゃあ、今から蕎麦刈りをしよう」
そこで二人は蕎麦を刈って、刈った蕎麦を干して、それから家へ持って帰って叩いて蕎麦の実を取り出しました。
「じいちゃん! じいちゃん! これでもう蕎麦が食えるな」
孫がそう言いましたが、お百姓はやはり首を横に振って、
「いいや、まだわからんぞ」
と、言うのです。
そこで孫は蕎麦を臼(うす)にかけて粉をひいて、その粉に少しずつ水を入れてこねると板状にして包丁で細長く切りました。
そして熱々のお湯で蒸すと、いよいよ蕎麦の完成です。
すると孫が、お百姓にニンマリと笑って、
「じいちゃん! じいちゃん! これでいよいよ蕎麦が食えるな。なんぼ、じいちゃんでも、ここまでくれば、『いいや、まだわからんぞ』とは、言わんだろう」
と、言いました。
ところがお百姓は、
「いいや、まだわからんぞ。口に入るまではな」
と、言うのです。
すると孫は、ケラケラと笑って、
「いくら何でも、そこまで心配する事は」
と、その蕎麦をそばつゆにもつけずに、口の中にかきこもうとしましたが、
「あっ!」
と、孫はうっかり手を滑らせて、蕎麦をざるごと目の前の囲炉裏の灰にぶちまけてしまったのです。
するとお百姓は、
「それ見ろ、だからわしは、物事は最後の最後までわからんと言っただろう」
と、笑いながら言って、はんべそをかく孫に自分の分の蕎麦を食べさせてやったと言うことです。
山口県の民話 福娘童話集より
http://hukumusume.com/douwa/index.html
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Posted on 2019/04/30 Tue. 15:17 [edit]
category: 山口むかし話
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下関観光検定012
【問題】
彦島一円の氏神として崇敬の厚い彦島八幡宮では、秋の例祭に「サイ上り」の神事があります。
これは海中からあるものを引き上げたときに「サア上がらせ給え」といったことから、神事はこう呼ばれるようになったそうです。
さて、海中から取り上げたものとは何だったでしょうか。
【答え】
鏡
【解説】
彦島八幡宮の例祭に「サイ上り神事」があります。
伝えられるところによると、平治元年10月、里より未申の方角に紫雲がかかり海中より光を放つので網を入れてみると鏡でした。
背面に河野八幡という銘があったので、河野通次は舞子島に祭りました。
このご神鏡を海中から取り上げるときに「サア上がらせ給え」といったところから、この神事の名前になったといわれています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
彦島一円の氏神として崇敬の厚い彦島八幡宮では、秋の例祭に「サイ上り」の神事があります。
これは海中からあるものを引き上げたときに「サア上がらせ給え」といったことから、神事はこう呼ばれるようになったそうです。
さて、海中から取り上げたものとは何だったでしょうか。
【答え】
鏡
【解説】
彦島八幡宮の例祭に「サイ上り神事」があります。
伝えられるところによると、平治元年10月、里より未申の方角に紫雲がかかり海中より光を放つので網を入れてみると鏡でした。
背面に河野八幡という銘があったので、河野通次は舞子島に祭りました。
このご神鏡を海中から取り上げるときに「サア上がらせ給え」といったところから、この神事の名前になったといわれています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
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Posted on 2019/04/30 Tue. 15:15 [edit]
category: 下関観光検定
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下関観光検定013
【問題】
彦島本村町にある寺院は、平家が壇の浦で敗れてから平重盛の守り本尊を奉持して堂宇を建立したと伝えられています。
このお寺はなんというお寺でしょうか。
【答え】
西楽寺
【解説】
彦島本村町にある西楽寺は時宗の寺院。
寺伝によれば平重盛の守り本尊を、平家が壇の浦で敗れてから執権植田冶部之進、岡野将監、百合野民部がこれを奉持して彦島に渡り、先住の河野一族と図って迫に堂宇を建立しました。
建治2年、一遍上人の従者・西楽法印がこの島に訪れ、尊像を今の地に移し西楽庵と称し、のち西楽寺と改称しました。
本尊の木造阿弥陀如来坐像は、市の文化財に指定されています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
彦島本村町にある寺院は、平家が壇の浦で敗れてから平重盛の守り本尊を奉持して堂宇を建立したと伝えられています。
このお寺はなんというお寺でしょうか。
【答え】
西楽寺
【解説】
彦島本村町にある西楽寺は時宗の寺院。
寺伝によれば平重盛の守り本尊を、平家が壇の浦で敗れてから執権植田冶部之進、岡野将監、百合野民部がこれを奉持して彦島に渡り、先住の河野一族と図って迫に堂宇を建立しました。
建治2年、一遍上人の従者・西楽法印がこの島に訪れ、尊像を今の地に移し西楽庵と称し、のち西楽寺と改称しました。
本尊の木造阿弥陀如来坐像は、市の文化財に指定されています。
関門海峡歴史文化検定問題集より 下関商工会議所発行
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Posted on 2019/04/29 Mon. 11:03 [edit]
category: 下関観光検定
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29
白狐の湯
白狐の湯(びゃっこのゆ) ム山口市ム
毎年五月になると、湯田(ゆだ 山口市湯田)で、温泉祭りが行われる。
このまつりには、「白狐おどり」など、白狐にまつわるもよおしがさかんに行われる
この話は、湯田温泉のおこりとして、いまに語りつがれるふしぎな話である。
今から五百年ほどむかしのことである。
湯田の近くに、権現山(ごんげんやま)とよばれる小さな山があった。そのふもとに、ふかい木立(こだち)にかこまれた古いお寺があった。
ある春の夜のことである。
だん家の法事にまねかれたおしょうさんは、ついつい引きとめられて帰りがおそくなった。その家を出たのは、だいぶ夜もふけたころであった。ほろようかげんのいい気持ちであった。あぜ道を通りすぎ、寺の境内(けいだい)にさしかかったときである。
しんとしずまりかえった境内のおくから、ピチャピチャというみょうなもの音が聞こえてきた。おどろいて耳をすますと、ピチャピチャという音が、間をおいては聞こえてくる。
いまごろ、なんの音じゃろう。
おしょうさんは、音のする方へ足音をしのばせていった。池のそばまできて、ふっと足をとめた。
白キツネが一匹、月の光にてらされて、池に足をひたしていたのだ。その白キツネは、ときおり水をかいては休み、水をかいては休みしている。みょうなもの音は、この白キツネの水をかく音だったのだ。
なお、じっと見つめていると、人の気配(けはい)に気づいたのか、すばやく池からはい上がって、あたりをきょろきょろ見まわした。
それから、後ろ足をかばうように、ぎこちない走り方で権現山のしげみの方へ消えていった。
「はて、白キツネが、なぜこんな夜ふけに池の中にはいっているのじゃろう。」
おしょうさんはふしぎに思いながらも、その夜は、そのまま、寺に帰ってねてしまった。
つぎの日の夜なか、ふと目をさますと、また、あのピチャピチャという音が聞こえてきた。
さてはまたあの白キツネかと、おしょうさんはそっと起き出して、月明かりの中を池にしのびよっていった。
やはり、きのうの白キツネであった。白キツネは、ひとしきり池に足をひたすと、ぎこちないあの走り方で権現山の方へさっていった。
その次の晩も、またそのつぎの晩も同じようなことがくりかえされた。
七日目の晩がやってきた。
白キツネは、きまったように池に足をひたし、きまったように権現山へ帰っていった。ただちがうことがひとつあった。
それは、いつもと走る方がちがうことだった。
つぎの日から白キツネは、姿を見せなくなった。
「さてさて、みょうなことがあるもんじゃ。どうして足がよくなったのじゃろう。」
おしょうさんは、ふしぎに思って池に足をひたした。
「やっ、水があたたまっておる。」
池の水が、ちょうどよいあたたかさになっていた。においをかぐと、温泉のにおいがする。
「これでやっとわかった。あの白キツネ、いたむ足をひたしにここへやってきていたのじゃな。」
おしょうさんは、さっそく里の村の人たちにこのこを話し、池の近くをほらせてみた。
すると、思ったとおり、熱い湯がこんこんとわいてきた。
「湯だあ。湯が出たぞうっ。」
村人たちはよろこびの声をあげた。
ほりすすめる手にいっそう熱がこもった。なおふかくほりさげていくと、くわの先に固いものがあたった。ていねいに掘りだすと、どろまみれの仏像であった。おしょうさんが、池の湯でていねいにどろをおとすと、みごとな黄金の薬師如来(やくしにょらい)の像があらわれた。
村人たちはひざまずいて、薬師如来像をふしおがんだ。
その後、薬師如来像は、温泉の守り本尊として、池のほとりにたてられた堂におさめられた。
この仏像をおがんで湯に入ると、どんな難病もたちどころになおるといわれ、湯に入りにくる人が後をたたなかったという。その後、だれいうとなく、「白狐の湯(びゃっこのゆ)」とよばれるようになり、いまに語りつがれている。
題名:山口の伝説 出版社:(株)日本標準
編集:山口県小学校教育研究会国語部
豊徳園ホームページより
毎年五月になると、湯田(ゆだ 山口市湯田)で、温泉祭りが行われる。
このまつりには、「白狐おどり」など、白狐にまつわるもよおしがさかんに行われる
この話は、湯田温泉のおこりとして、いまに語りつがれるふしぎな話である。
今から五百年ほどむかしのことである。
湯田の近くに、権現山(ごんげんやま)とよばれる小さな山があった。そのふもとに、ふかい木立(こだち)にかこまれた古いお寺があった。
ある春の夜のことである。
だん家の法事にまねかれたおしょうさんは、ついつい引きとめられて帰りがおそくなった。その家を出たのは、だいぶ夜もふけたころであった。ほろようかげんのいい気持ちであった。あぜ道を通りすぎ、寺の境内(けいだい)にさしかかったときである。
しんとしずまりかえった境内のおくから、ピチャピチャというみょうなもの音が聞こえてきた。おどろいて耳をすますと、ピチャピチャという音が、間をおいては聞こえてくる。
いまごろ、なんの音じゃろう。
おしょうさんは、音のする方へ足音をしのばせていった。池のそばまできて、ふっと足をとめた。
白キツネが一匹、月の光にてらされて、池に足をひたしていたのだ。その白キツネは、ときおり水をかいては休み、水をかいては休みしている。みょうなもの音は、この白キツネの水をかく音だったのだ。
なお、じっと見つめていると、人の気配(けはい)に気づいたのか、すばやく池からはい上がって、あたりをきょろきょろ見まわした。
それから、後ろ足をかばうように、ぎこちない走り方で権現山のしげみの方へ消えていった。
「はて、白キツネが、なぜこんな夜ふけに池の中にはいっているのじゃろう。」
おしょうさんはふしぎに思いながらも、その夜は、そのまま、寺に帰ってねてしまった。
つぎの日の夜なか、ふと目をさますと、また、あのピチャピチャという音が聞こえてきた。
さてはまたあの白キツネかと、おしょうさんはそっと起き出して、月明かりの中を池にしのびよっていった。
やはり、きのうの白キツネであった。白キツネは、ひとしきり池に足をひたすと、ぎこちないあの走り方で権現山の方へさっていった。
その次の晩も、またそのつぎの晩も同じようなことがくりかえされた。
七日目の晩がやってきた。
白キツネは、きまったように池に足をひたし、きまったように権現山へ帰っていった。ただちがうことがひとつあった。
それは、いつもと走る方がちがうことだった。
つぎの日から白キツネは、姿を見せなくなった。
「さてさて、みょうなことがあるもんじゃ。どうして足がよくなったのじゃろう。」
おしょうさんは、ふしぎに思って池に足をひたした。
「やっ、水があたたまっておる。」
池の水が、ちょうどよいあたたかさになっていた。においをかぐと、温泉のにおいがする。
「これでやっとわかった。あの白キツネ、いたむ足をひたしにここへやってきていたのじゃな。」
おしょうさんは、さっそく里の村の人たちにこのこを話し、池の近くをほらせてみた。
すると、思ったとおり、熱い湯がこんこんとわいてきた。
「湯だあ。湯が出たぞうっ。」
村人たちはよろこびの声をあげた。
ほりすすめる手にいっそう熱がこもった。なおふかくほりさげていくと、くわの先に固いものがあたった。ていねいに掘りだすと、どろまみれの仏像であった。おしょうさんが、池の湯でていねいにどろをおとすと、みごとな黄金の薬師如来(やくしにょらい)の像があらわれた。
村人たちはひざまずいて、薬師如来像をふしおがんだ。
その後、薬師如来像は、温泉の守り本尊として、池のほとりにたてられた堂におさめられた。
この仏像をおがんで湯に入ると、どんな難病もたちどころになおるといわれ、湯に入りにくる人が後をたたなかったという。その後、だれいうとなく、「白狐の湯(びゃっこのゆ)」とよばれるようになり、いまに語りつがれている。
題名:山口の伝説 出版社:(株)日本標準
編集:山口県小学校教育研究会国語部
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Posted on 2019/04/29 Mon. 10:02 [edit]
category: 山口むかし話
TB: -- CM: 0
29