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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

農業者の団体組織と生産進歩の過程8 

農業者の団体組織と生産進歩の過程8


なお、私がとくに申し添えておきたいことは、彦島の「カンラン」であります。
これは無論先ほど申し上げました登録品種で、この種子からとれた「カンラン」は甘みが強くて非常に美味しいと好評を受けております。

彦島にいる方は、これをつねに食べていますから気がつきませんけれども、数年前に大阪に送ったところ特別な味があるということで、これが好評となって京都・神戸あるいは東京方面からも年々注文があり、生産が追いつかず注文に応じられないという残念な状態でありました。
なかには遠方からわざわざ出張してきて、何車でもよいから買いたいという問屋もありました。

このため組合としても早くから予約を受けるため、出荷組合を組織したのであります。
今までは三・四十車程度の出荷であったのが、今後はより以上の量を出荷しようということで、皆さん張り切っているようであります。

このような見地から「カンラン」の先行きは、作れば作るほど売れる特徴を持っており、私もこの点だけは誰はばかることなく大きなことが言えると考えております。


古老が語る郷土の今昔「ひこしま発展誌」より
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Posted on 2019/03/03 Sun. 10:18 [edit]

category: ひこしま発展誌

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北田の泉 

北田の泉


むかし、秋根の北田というところに広い田畑がありました。
そこから少し離れた小溝には、いつも冷たい水が湧き出ている泉がありましたが、いつとはなしに村人たちから忘れられていました。

ある年、北田の村は、大旱魃にみまわれ、近くの川や沼、池が干上がって、農夫たちは、幾度も雨乞いのお祈りをしました。四、五日うちに雨が降らなければ、近くの田畑はみな枯れてしまい、農夫たちは飢え死にを覚悟しなければなりません。

村人たちは、空をあおいでは雨雲が見えないかと必死になって探しますが、目に入るのはモクモクと空を突き刺すような入道雲、ギンギラと輝くお日様だけでした。

大きなため息が、村人たちの間からおこりました。
その中に、佐吉もいました。が、佐吉はふと子どものころ親から聞いた北田の泉のことを思い出しました。
佐吉はさっそくその場所にいき、枯れ葉などを取り除いて、まわりをきれいにしてみると…、
水は、いまでもこの日照りの最中にも、湧き出ていました。
佐吉は大喜びで村人たちに知らせ、総出で泉のまわりに「イデ」を築き、掘り下げていくと、またたくまに「イデ」を溢れるくらいに水が涌いてきました。

そこで村人たちは、公平に水を分け、ひび割れした田に畑にめぐみの水を注ぎ込み、大干ばつの恐ろしさから逃れることができました。

それからというもの、この北田の泉で、手や足を洗うことも禁じ、村の大切な霊地として敬いました。


(注)
水は農業にとっても大切なものです。
そうしたことから、農村にはこうしたお話がたくさん残っています。
川や泉や、また井戸など、水を大切にする心をこれからも大切にしていきたいものです。


『下関の民話』下関教育委員会編
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Posted on 2019/03/03 Sun. 10:04 [edit]

category: 下関の民話

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