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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

地域の史実と口碑伝説11 

地域の史実と口碑伝説11


この弟子待の沖合に「与次兵衛カ瀬」という瀬がありました。
今は航路整備のため取り除かれておりますが、以前は潮流の激しい中にあった恐るべき岩礁でありました。
この瀬で座礁したならば誰も助かる者がないというので「死の瀬」と名付けられていたのであります。
この瀬について、まことに哀れな史実があります。

それは文禄元年豊臣秀吉の朝鮮出兵の時でありました。
秀吉は備前名護屋の城から大阪に帰るために軍船日本丸に乗りました。
大船頭は明石与次兵衛で、彼は熟練したパイロットでありましたが、どうしたことか誤って死の瀬に乗り上げたのであります。
船は今にも激流に呑まれようとちしましたが、幸いに長府の城主毛利秀元の救援があり、またこれを見た弟子待の人々も救助に出ましたので秀吉は事なきを得ました。

哀れなのは大船頭の与次兵衛で、彼はその責任を問われ、ついに首を刎ねられたのであります。
後の人々がこの悲劇の主を憐れみ、岩礁の上に石碑を立てて「与次兵衛カ瀬」と名付け、その冥福を祈るとともに通行の船舶のための危険標識としたのであります。


古老が語る郷土の今昔「ひこしま発展誌」より
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Posted on 2019/01/08 Tue. 11:25 [edit]

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下関の地名6 七里七浦七えびす 

七里七浦七えびす


 島は 七島
 回れば 七里
 七里 七浦 七恵比寿

 古くから『彦島謡』の一節に、こんな文句がある。

 むかし、平家全盛のころ、平清盛は、平家の祈願所を設けるために、全国に『七里七浦』の地を探させた。それは、七という数字が縁起のいい数だからで、家来たちは全国津々浦々、くまなく探しまわり、結局残ったのが、長門の彦島と安芸の宮島の二カ所になった。
 しかし、彦島は、七浦だけは揃っていたが周囲を測ってみると六里十五町五十一間(約25.3キロメートル)で、七里に少しばかり足りなかった。
 そのため、平家の祈願所は、安芸の宮島に取られてしまったが、そのくやしさを、彦島の人びとは『島は七島、七えびす』と、うたったという。


 ところで、『七えびす』というのは、次の七づくしのことだそうだ。

◎七島

 引島 彦島本島
 舟島 巌流島、船島とも書く
 舞子島 西山の泊まりの沖にあった島
 城ノ島 舞子島の西寄りの島、城ノ子嶋ともいう
 間横島 西山の獅子ケ口の沖にあったという島
 竹ノ子島 竹ノ子島
 伝馬島 福浦湾の海賊島(リンゴ山ともいう)

◎七浦

 天ノ浦 海士郷
 江合ノ浦 江ノ浦
 小福浦 福浦
 百ノ浦 荒田の南の浜 桃の浦とも書く
 宮ノ浦 彦島八幡宮前の浜(三井東圧構内)
 伊佐木浦 西山の伊佐武田の浜、伊佐野浦とも書く
 鯉ノ浦 西山の伊無田の浜 恋の浦とも書く

◎七崎

 浦辺崎 海士郷の小戸寄り
 鉾崎 ホーサキ 本村の林兼造船第二工場付近
 鎌崎 江ノ浦桟橋通りバス停付近
 鋤崎 スキザキ 彦島中学と福浦口との中間 塩谷の辺り
 硴崎 カケザキ 福浦の東隅
 佐々崎 ササザキ 荒田
 長崎 長崎町(本村七丁目)の変電所付近

◎七鬼

 鬼ヶ島 竹ノ子島の北半分
 鬼穴 西山の手トリガンス
 鬼先 西山の泊まりの浜 鬼崎とも書く
 鬼山 西山瀬戸の浜の丸山
 鬼番屋 西山丸山の眼鏡岩
 鬼ノ瀬 西山獅子ヶ口の瀬
 鬼岩 南風泊の蛸岩

◎七海賊

 海賊島 福浦湾の伝馬島 別に龍宮島ともいい現在は塩浜と陸続きになってリンゴ山
 海賊谷 塩浜の大山の麓 清水谷
 海賊泊り 塩浜の大山の北麓(福浦のカケザキにもあったという)
 海賊屋敷 福浦金比羅山の裏側
 海賊板 田の首の俎瀬
 海賊ノ瀬 田の首の鳴瀬
 海賊堤 田の首の雁谷迫の堤

◎七堤

 里堤 迫のトンダの堤(彦島有料道路の下)
 小迫堤 迫から佐々崎に通じる山中の堤
 名合浦堤 里から本村百段に通じる山中にあった用水池
 藤ヶ迫堤 老ノ山の第一高校の下にあったが今は無い
 鎌崎堤 江の浦桜町(五丁目)の地蔵坂にあった堤
 杉田堤 杉田の三菱造船アパートが建っている所にあった鯉の巣の堤
 塩谷堤 彦島中学から福浦口へ至る中ほどにあった堤

◎七瀬

 栄螺瀬 サザエノセ 西山の西海岸
 獅子ヶ口瀬 西山の突端
 俵瀬 江の裏鎌崎の沖
 沖ノ洲瀬 現在の大和町が埋め立て以前港であったころの羽根石一帯の瀬
 中州の瀬 巌流島の沖の瀬
 死の瀬 弟子待沖の与治兵衛ヶ瀬
 仏の瀬 小戸の身投げ岩付近の瀬


富田義弘著「平家最後の砦 ひこしま昔ばなし」より

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Posted on 2019/01/08 Tue. 10:18 [edit]

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