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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

下関の方言 せ…の部 

下関の方言 せ…の部

せく
 痛む。
 急ぐ。
 川などをせき止める。

せせかましい
 余裕のないさま。

せせくる
 誹謗する。そしる。

せせくろしい
 うるさい。やかましい。
 狭い。窮屈。

せせる
 そしる。
 いじる。
 いじめる。
 競争する。
 人のアラを探す。

せせん
 しきりに。闇雲に。

せぞ
 背戸。

せっき
 八月旧盆の前の半月間と十二月。

せつく
 促す。催促。督促。

せどぐち
 裏の出入り口。

せなあわせ
 犬猿の仲。

せびる
 ねだる。欲しがる。

せまくろしい
 狭い。

せめる
 親にねだる。

せりご
 とし子。
 貰い子をした後に生まれた子。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/30 Sun. 09:45 [edit]

category: 下関弁辞典

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30

了円寺と高杉療養地跡 

了円寺と高杉療養地跡

国道脇の人道を歩くのはあまり楽しいものではない。
「桜山神社」の標柱のそばの書道具店とお茶屋の間に入ってみよう。
静かな小路がつづく。
かつて小瀬戸の海がこの辺りまで入り込んでいた頃、人々はこの狭い道を行き来していた。
右手は石垣の上に古い家々が並び、左手は道よりも下に家が建っていたりして旧八幡町に似た風情がある。

屋根が足元にうずくまっているような錯覚を起こしながら、のんびり歩いて行くと、横断歩道橋のそばに出ることになるが構わず右へ折れて小路を辿ることにしよう。
やがて、いやでも国道に出てしまう。
そのあたりからが了円寺坂で、その名の寺院は坂の登りかけた途中に堂々とした山門を据えて白塀と石垣の曲線が美しい。

本堂、方丈、庫裡、鐘楼とすべて揃っていて、大きなイチョウの木が二本、桜も墓地のネムノキも共に大きい。
しかし、幕末に志士たちが屯所としていた面影は何もなく、また、それを記した立て札さえもないのはやはり寂しい。
同じことは西の光明寺でもいえるが。

ところで、了円寺の明治時代の住職、丘道徹は私財を投じて、代用感化院薫育寮を二十数年間経営していたが、これは大正元年に山口市にある「山口県立育成学校」に改組移管された。
すなわち丘住職はこの方面のパイオニアという訳である。

境内を出て横手のゆるい石段のある坂を下ると、途中に「了円寺参道」と書かれた碑が雑草に埋もれていた。
ということは参道は山門をくぐらずにその左手を登っていたことになる。
そういえば、了円寺の山門は長府毛利家の勝山御殿から移したものだという話を聞いたことがある。

さて下駄ばきぶらたんも、下関駅周辺という制約があれば、この辺りから引き返すべきであろう。
了円寺坂を登ってしまうと、金比羅、武久、幡生と先は広くつい帰りそびれてしまう恐れがある。
とりあえず、厳島さんの信号まで戻って神社手前の小路を左に入ろう。

まっすぐに進むと山陽本線の狭く低いガードをくぐることになり更に左に折れて坂道を登ると左手住宅の玄関先に「高杉東行療養之地」の碑が建っていて鉄扉の中に花立が一本と晋作の詩碑がある。
高杉は短い生涯に何百という詩歌を書き、旅日記なども事細かに書き残しており、平和な時代に生きていれば文人としてその名を高めたかもしれない。

落花斜 日恨無窮 自愧残骸泣晩風
休怪移家華表下 暮朝欲佛廟前紅

落花斜日恨み窮まりなし
自ら愧ず残骸晩風に泣く
怪しむをやめよ家を華表の下に移すを
暮朝廟前の紅をはらわんと欲す

この詩は慶応二年の作で「桜山七絶」と題し「時に予、家を桜山の下に移す」と副書きがしてある。
病気療養のため白石家からここに移ってきた頃の感傷だ。ちなみに華表とは鳥居のことである。

高杉はここで度重なる入牢と回天義挙などによりボロボロに痛めた体を休めながら、国を憂い、多くの死者たちのことを思って悩み苦しんだ。
そして秋から冬へかけて日に日に衰えてゆく体力を気力はどうすることも出来ず、やがて新地の林邸に移って死期を迎えることになるのです。

己惚れて 世は済ましけり 歳の暮 東行

ところで、この療養地のすぐ上に赤鳥居の「立石稲荷」があり、本当はここで静養したんだという説もかなり広く信じられている。
そういえば拝殿の前の花立に彫られた定紋は高杉家のものと類似しているし、ここからなら招魂社の森も手に取るように近い。

お稲荷さんの上の平坦地は住宅地になっているが、戦前には桜山競馬場といって草競馬ファンにとって懐かしい場所。
この住宅地の突き当たりは河野学園で、幼稚園から女子短大までの各層の賑やかな声が聞かれる。
その少し手前を右に折れると正面に神田小学校があり、前の坂道を東にくだると厳島神社の横に出ることになる。
しかし、坂を下りきったあたりから左に折れて、適当な小路を右に入り細い坂道をぐんぐん登るとやがて下りとなって山手町から関西通りへ出ることができる。


冨田義弘著「下関駅周辺 下駄ばきぶらたん」
昭和51年 赤間関書房
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Posted on 2018/09/30 Sun. 09:25 [edit]

category: ぶらたん

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30

下関の方言 す…の部 

下関の方言 す…の部

すまし
 すまし汁。清汁。吸い物。

すまもち
 上棟式の餅まきで東西南北の四本柱から放る大きな餅。

すまんやったな
 すまなかったな。
 お世話になりましたね。
 ありがとう。

すまる
 つらら。

すみざけ
 婚約の印の酒。

すみだあら
 炭俵。

すもとり
 オオバコ。

すら
 嘘。デタラメ。
 空籤。ハズレ。

すらごと
 嘘。絵空事。

すりぎ
 すりこぎ。
 マッチの棒。

すりきり
 器に丁度一杯。

ずるずる
 だらしない。
 そのまま居ついてしまう。

すわ
 いざ。

ずわた
 ハラワタ。内蔵。

ずんぐり
 背が低く太っている人。

ずんと
 一段と。かなり。

すんな
 するな。やめろ。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/29 Sat. 10:28 [edit]

category: 下関弁辞典

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29

厳島さんと桜山招魂社(下) 

厳島さんと桜山招魂社(下)

児童公園の石段を下って右へ行けば山陽本線のガードをくぐり高杉晋作の療養地跡に行くことができるが、もし時間があるならば、桜山招魂社を先に訪ねよう。

厳島神社参道脇の信号まで戻って国道191号線にそい西へ行くことになるが、車の多い国道を避けたければ、すぐ先のガソリンスタンドのそばを右折すればよい。
約二メートルの小道が続いて桜山小学校の前に出る。
右手は山陽本線だ、
学校と線路の間の道をしばらく行くと左手にこんもり繁った森がある。
「桜山招魂社」し書かれた石柱が建っていて、鳥居には扁額がない。
そこから長い石段が鬱蒼とした樹林に包まれて暗いたたずまいで登る。
十五段ばかり登ると大きな椎木が天をついて聳え立っている。
市の環境保全条例により「保存樹木」に指定されていることはいうまでもない。

招魂場はそこからさらに百段近くも登らねばならないが、この参道の桜並木は実に見事である。
登りきった台地の正面に拝殿があり、その前に明治天皇勅宣碑というのが建っている。

拝殿の裏手に回ってみると石の鳥居が建っていて、鉄門扉に閉じられた霊標群が祀られている。
明治維新の大事業のために散った三百七十余柱の霊を慰めるもので、中央に吉田松陰、両側に高杉晋作、久坂玄瑞という松蔭門下の双璧が並んでいる。
後列には苗字を持たない小者の名前もあるが、ここに霊標が建てられた志士はまだましだと言えるかもしれない。
小倉や越後、東北あたりで倒れたものも多く、また生死さえも判らぬまま葬れさられた人もあったことだろう。

もともとこの招魂場を作ったのは高杉晋作だが、彼は常に自分より先に死んでいった者のことを想い続けて、
おくれても おくれてもまた 君たちに
誓いしことを 吾忘れめや
とむらわる 人に入るべき 身なりしに
とむらう人と なるぞはずかし
などと歌っている。
いかに国のためだとはいえ自分の作戦や命令により死んだ者に対して、限りない愛惜の念を抱き続けて高杉は悶々とした夜を過ごしたふしがある。
「動けば雷電の如く、発すれば風雨の如し」と評されて豪放磊落な高杉というイメージの陰には、このような人情味厚い一面も隠されていた訳である。

さて、石段を下って桜山小学校に沿いながら国道に出ると信号のそばに「明治維新殉国の士を祀る桜山神社」の大標柱が建っている。
つまり桜山招魂社はここが表坂という訳である。


冨田義弘著「下関駅周辺 下駄ばきぶらたん」
昭和51年 赤間関書房
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Posted on 2018/09/29 Sat. 10:05 [edit]

category: ぶらたん

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29

下関の方言 せ…の部 

下関の方言 せ…の部


 瀬。暗礁。

せー
 …しなさい。
 …のせい。
 張り合い。
 気力。息切れ。
 精。

せーぎれ
 息がきれる。

せーさい
 精一杯。

せーずくない
 かごみすぎて腹が苦しい。呼吸が苦しい。難儀な。

せーで
 …しないで。
 それで。

せーろ
 セイロ。蒸し器。

せがう
 からかう。冷やかす。

せからしい
 うるさい。騒々しい。やかましい。

せき
 下関。

せきだ
 雪駄。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/29 Sat. 09:11 [edit]

category: 下関弁辞典

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29

下関の方言 す…の部 

下関の方言 す…の部

すてんくら
 嘘つき。テンクラ。

すと
 藁で包んだ食べ物。藁で包んだかまぼこ。

すどい
 素早い。
 悪賢い。

すどうし
 広く開けっ放しの家。
 戸や障子のない家。

ずねる
 すねる。

すばえる
 戯れる。
 小雨。

すばぶる
 すする。しゃぶる。舐める。

すばぬける
 すり抜ける。

すべくる
 すべる。
 流産。

すぼ
 藁で包んだかまぼこ。
 包茎。

すま
 角。隅。

すまー
 …しますまい。…しないだろう。

すまーがー
 …しないだろうよ。

すまーやー
 しますまい。やめましょう。

すまくら
 炭を貯蔵する倉庫。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/27 Thu. 10:29 [edit]

category: 下関弁辞典

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27

下関の方言 す…の部 

下関の方言 す…の部

すけもの
 敷物。

すける
 手を差し伸ばす。手を添える。
 物の下に敷く。

すごい
 ものすごい。甚だしい。
 素晴らしい。

すじひく
 遺伝。血筋。
 痙攣。

すさ
 壁土の中に入れる小さく刻んだ藁。

すずしだな
 蝿入らず。水屋。食器戸棚。

すする
 飲む。

すそ
 末っ子。
 腰。
 女性性器。

すたる
 なくなる。紛失。

すだる
 後ずさり。

すってんきゅう
 嘘つき。

すで
 素手。
 一文無しで事業を始めること。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/27 Thu. 10:08 [edit]

category: 下関弁辞典

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27

厳島さんと桜山招魂社(上) 

厳島さんと桜山招魂社(上)

妙蓮寺の山門を出て左へ行けば大通りに出るが、そこに石の鳥居が建っている。
道路を隔てた正面は厳島神社。
石段を少し登ると右手に句碑がある。
作者名はなく建立は明治時代となっているが、その刻字は残念ながら読めない。
「草の名は」に始まって「初野菊」あるいは「晴野菊」で終わるような気がするのだが、読めなければよけいにイライラすると、ぶらたん氏の弁。

さらに石段を登ってゆくと境内の中央に大きな太鼓堂が建っている。
そばには台石も含めれば三メートル以上もある大石柱に公爵山県伊三郎の撰になる太鼓の由来文が刻まれているが、楼の中にもやさしい説明板があってこれは親切で良い。
せっかくだから読んでみよう。

ここに安置してある大太鼓は、小倉城の櫓太鼓であったものを、慶応三年、当時の奇兵隊長高杉東行晋作が藩主に謝罪せしめた折、戦利品として得たものを、当時、萩毛利忠正公の領土たりし新地浦の守護神、厳島神社に奉納せる由緒あるものであります。
この太鼓はケヤキ材のくり抜きで、直径三尺六寸、重さ九十貫もある天下の一品であります。

小倉城は戦後、鉄筋コンクリートで復元され、天守閣の最上部には大きな太鼓も据えられているが、小倉戦争から百何年も経過した今日でも小倉人にとっては小笠原藩の大太鼓が長州下関にあるという事実が我慢できないらしい。
だから時折、厳島神社の太鼓を返せ、とか、東行庵の石燈篭を返せ、などと執念深く迫ってくる訳である。

しかし長州人にとっては、はいそうですか、と素直に返せるシロモノではない。
先人が維新革命を成し遂げた際の貴重な遺産であってみれば、これは単なる戦利品ではないことがはっきりする。
北方領土の問題と同一視する訳にはゆかないのだ。

さて、拝殿の裏手は児童公園になっているが、その片隅に藤棚などがあって、そこにも小さな句碑がある。
御多分に洩れずここもまた達筆で書かれているため、なかなか読みづらい。
しかし表参道の「草の名」の句碑の仇を、この辺りで討たねばなるまい。
ぶらたん氏、紅葉稲荷の句碑と歌碑同様に、何度も足を運んでようやく判読したという。

春もやや けしきととのふ 月と梅 ばせを

驚いた。
こんなところにも芭蕉の句碑がひっそり建っていたのである。
「山口県近代文学年表」という本の巻末には県内の文学碑をことごとく拾い集めて列記してあるが、紅葉稲荷の「月代や」と、ここの「春もやや」の二つの芭蕉句碑は載っていない。


冨田義弘著「下関駅周辺 下駄ばきぶらたん」
昭和51年 赤間関書房
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Posted on 2018/09/27 Thu. 09:38 [edit]

category: ぶらたん

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27

下関の方言 す…の部 

下関の方言 す…の部

すがやす
 畳を返す。
 着物を裏替えして縫う。

すかん
 好かん。嫌い。
 嫌味な。

すかんぴん
 一文無し。貧乏人。

すく
 田畠を耕す。
 綱や毛糸を編む。

ずく
 そのまま途切れている状態。
 センズクとも、

ずくし
 熟柿。

すくど
 松の落ち葉。

すくねる
 すねる。むずかる。

すくばる
 竦む。立ちすくむ。硬直。

ずくばれる
 膿む。化膿する。

すくも
 籾殻。

すぐる
 藁の外皮を取り除いて整える。

すけない
 少ない。

すげもない
 すげない。
 無愛想。
 味もそっけもない。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/26 Wed. 11:35 [edit]

category: 下関弁辞典

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26

下関の方言 す…の部 

下関の方言 す…の部


 洲。暗礁。
 穴。
 腐敗。

すーっとした
 すっきりした。胸のつかえがおりた。

すいー
 酸っぱい。
 腐っている。

すいがえり
 邪魔をする人。

すいじんさん
 水神。
 井戸。
 湧き水。
 アメンボウ。

すいすいば
 スイバ

すいち
 酢醤油。ポン酢。

すいのう
 篩の目の小さなもの。

すいばり
 トゲ。

すうどん
 かけうどん。

すえる
 腐る。

すか
 空籤。ハズレ。
 当て外れ。


冨田義弘著「下関の方言」赤間関書房刊より
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Posted on 2018/09/26 Wed. 10:59 [edit]

category: 下関弁辞典

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