彦島のけしき
山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…
秋のけしき 18
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Posted on 2014/10/01 Wed. 08:59 [edit]
category: 秋のけしき
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01
山の背比べ
山の背比べ
むかしむかし、ある山が自分の背の高さを自慢しました。
「やっぱりぼくの方が、お前よりも高いようだな」
「どうして?」
「どうしてって、ぼくはお前の頭の上のが、見えるんだもの」
「それなら、ぼくだって見えるさ。いいや、お前だけじゃなくて、みんなの頭の上が見えるよ。だから、もしかするとぼくは日本中で一番高い山かもしれないね」
「日本中で、一番だって?!」
それを聞いて、他の山たちも集まってきました。
「お前のようなチビ山の、どこが一番なんだ?」
「そうさ、一番は、このおれさ」
「何だと、おれに決まっているだろう!」
「よーし、誰が一番高い山か、比べっこしよう」
こうして山たちは背比ベをしようとしたのですが、そこで困った事に気がつきました。
いったいどうやって、どちらが高いかを比べたらいいのでしょうか?
みんな大きな山なので、近くに並べるわけにはいきません。
「どうしようか?」
山たちが困っていると、人間たちが言いました。
「それなら長い長いといをつくって、それを背比ベする山と山のてっペんにのせるんですよ。そして雨が降るのを待つのです。水は低い方へ流れていきますから、といにたまった水が流れてきた方が低いの山です」
「なるほど、それはいい考えだ」
そこで人間たちは、背比べをする山から山へ長いといをかけました。
しばらくすると雨が降ってきて、といにたまった水が流れはじめました。
「やったー! ぼくのところへは流れてこないぞ! ぼくが一番高い山なんだ。・・・あれ?」
そう言っているところへ、別のといから水が流れてきました。
「ははーん。一番高いのは、お前じゃあない。一番高いのは、このおれさ。なにしろおれのとこめには、水が流れて来ないからね」
「うーん、しかたがない。お前が日本で一番高い山だ」
こうしてとうとう、日本一高い山が決まったと、みんなは思いました。
すると、その時です。
ズシーン!!
ものすごい音とともに、大きな大きな山が飛んで歩いてきました。
「なっ、なんだ、あの大きな山は!」
おどろく山たちに、その大きな山が言いました。
「やあ、ぼくは富士山さ。山の大きさ比べをしていると聞いて、ここまで飛んできたんだ。どうだい、ぼくより大きい山はいるかい?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
背比べしていた山たちは、はずかしくて何も言えませんでした。
こうして富士山が、日本一高い山となりました。
ちなみに、ジャンプしてきた富士山が着地した場所は大きくへこんで、そこに水がたまって今の琵琶湖(びわこ)が出来たそうです。
おしまい
むかしむかし、ある山が自分の背の高さを自慢しました。
「やっぱりぼくの方が、お前よりも高いようだな」
「どうして?」
「どうしてって、ぼくはお前の頭の上のが、見えるんだもの」
「それなら、ぼくだって見えるさ。いいや、お前だけじゃなくて、みんなの頭の上が見えるよ。だから、もしかするとぼくは日本中で一番高い山かもしれないね」
「日本中で、一番だって?!」
それを聞いて、他の山たちも集まってきました。
「お前のようなチビ山の、どこが一番なんだ?」
「そうさ、一番は、このおれさ」
「何だと、おれに決まっているだろう!」
「よーし、誰が一番高い山か、比べっこしよう」
こうして山たちは背比ベをしようとしたのですが、そこで困った事に気がつきました。
いったいどうやって、どちらが高いかを比べたらいいのでしょうか?
みんな大きな山なので、近くに並べるわけにはいきません。
「どうしようか?」
山たちが困っていると、人間たちが言いました。
「それなら長い長いといをつくって、それを背比ベする山と山のてっペんにのせるんですよ。そして雨が降るのを待つのです。水は低い方へ流れていきますから、といにたまった水が流れてきた方が低いの山です」
「なるほど、それはいい考えだ」
そこで人間たちは、背比べをする山から山へ長いといをかけました。
しばらくすると雨が降ってきて、といにたまった水が流れはじめました。
「やったー! ぼくのところへは流れてこないぞ! ぼくが一番高い山なんだ。・・・あれ?」
そう言っているところへ、別のといから水が流れてきました。
「ははーん。一番高いのは、お前じゃあない。一番高いのは、このおれさ。なにしろおれのとこめには、水が流れて来ないからね」
「うーん、しかたがない。お前が日本で一番高い山だ」
こうしてとうとう、日本一高い山が決まったと、みんなは思いました。
すると、その時です。
ズシーン!!
ものすごい音とともに、大きな大きな山が飛んで歩いてきました。
「なっ、なんだ、あの大きな山は!」
おどろく山たちに、その大きな山が言いました。
「やあ、ぼくは富士山さ。山の大きさ比べをしていると聞いて、ここまで飛んできたんだ。どうだい、ぼくより大きい山はいるかい?」
「・・・・・・」
「・・・・・・」
背比べしていた山たちは、はずかしくて何も言えませんでした。
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Posted on 2014/10/01 Wed. 08:57 [edit]
category: 日本の民話
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category: 彦島さんぽ
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