12 « 1.2.3.4.5.6.7.8.9.10.11.12.13.14.15.16.17.18.19.20.21.22.23.24.25.26.27.28.29.30.31.» 02

彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

タコとり長兵衛 

タコとり長兵衛


 むかしむかし、あるところに、まい日タコをとり、それを売ってくらしている、タコとり長兵衛(ちょうべえ)という男がいました。
 ある日、ずっと遠くのにぎやかな町まで、タコ売りにいったところ、大きな家の前に『おれの家のむすめをもらいたいとおもう人は、だれでもなかに入ってこい』という、かんばんを見つけました。
 長兵衛は、
「おれのようなものがいっても、あいてになってくれるだろうか?」
と、思いましたが、そのまま入っていきました。
「あの、かんばんをみて、まいりました」
 すると、おくから番頭(ばんとう→詳細)がでてきて、
「おまえは、なんていう名前の人だ?」
「おれは、あしのくらの千軒町(せんげんちょう)からきた、タコとり長兵衛というもの。そこは、ねていて朝日夕日をおがむにいいところだ」
「それは、たいしたところだなあ」
と、おくにとりついでくれました。
 親たちはそれをきいて、むすめをよび、
「ずいぶん遠いところのようだが、おまえはどうするつもりかな」
と、ききました。
 すると、いつもへんじをしなかったむすめが、
「いくことにする」
と、いったのです。
 長兵衛はよろこんで、
「いついつかの、いつごろむかえにくるから」
と、やくそくして、その日はかえっていきました。
 いよいよその日になりましたが、長兵衛からは、なんのたよりもありません。
 父はしかたなく、むすめと荷物を車にのせ、みんなで海ぞいの道を歩いていきました。
 そして、道とおる人に、
「あしのくらの千軒町は、ここからなんぼぐらいあるべか」
と、ききました。
「そこは、ここからまだ三里も四里(一里は、約四キロメートル)もあって、なんにもないたいへんなところだ、もどったほうがよい」
 むすめをおくってきた人たちは、それをきいて、
「そんなに遠いところまで、いっしょについていかれねえ。おまえももどったほうがよい」
と、いいましたが、むすめは、
「おれはいくとけっしんして、へんじをしてしまったから、ひとりでもいく」
と、いって、おくってきた人たちと、わかれることにしました。
 そして、たずねたずねして、やっと夜になってつきました。
 そこは千軒町といっても、海べに家は一けんしかありません。
 その家も、四方のかべもないあばら家です。
 たしかにこれなら、ねていて朝日夕日をおがむにいいわけです。
 長兵衛は、
「よくきてくれたなあ。こういう遠いところだから、とてもきてもらえないとおもっていた。むかえにもでなくて、すまなかった」
と、いって、たいそうよろこびました。
 こうしてむすめは、長兵衛のあねちゃ(→奥さん)になりました。
 嫁をもらった長兵衛は、いっそうタコとりにせいだして、町に売りに歩きました。
 ある日、近くの町にいってみると、大きいあき家に、
《この家を買う人があれば、三十文(千円ほど)で売る》
と、たてふだがたっていました。
 長兵衛は心のなかで、「こりゃあやすい」とおもいましたが、とおりがかりの人が、
「この家は、ばけものやしきだよ」
と、教えてくれたので、そのまま家にもどってきました。
「町に三十文で売るという、大きな家があったども、ばけものやしきだというし、三十文の銭こもねくて、買えねかった。ざんねんだなあ」
 それきいたあねちゃは、
「ばけものやしきだって、なんもおっかなくねえもんだ。おらのさいふに三十文の銭こはあるから、今からいって買ってこい」
と、いって、おくから三十文を持ってきました。
 そして、二人はその大きい家にひっこしたのです。
 長兵衛はまい日、朝早くからタコとりにいくので、まい日あねちゃは、大きな家でるすばんをして、はり仕事をしていました。
 ある日、とつぜんおくざしきのほうから、
 ドンドン、ドンドン
と、ゆか板ならして、六尺(百八十センチ)の坊主があねちゃの前に、でんとたちふさがりました。
 さすがのあねちゃもビックリして、ブルブルふるえていましたが、だまって知らないふりをして、はり仕事をつづけました。
 すると、しばらくして、
 ドンドン、ドンドン!
と、どこかにいってしまいました。
 でも、またすぐ、
 ドンドン、ドンドン
と、音がして、こんどは三つ目の坊主が出てきて、あねちゃをジッと見つめています。
 あねちゃは目をつぶって、知らないふりをしていたら、やがてそれも、
 ドンドンと、行ってしまいました。
 あねちゃがホッとしているところに、また、おくのほうから、パタパタと足音がして、こんどは年とったおばあさんが、赤い手ぬぐいをかぶってでてきました。
 そのおばあさんは、あねちゃのそばにベッタリとくっついて、
「あねちゃ、おれたちはばけものではねえんだよ。じつは金の精だ。この家のなかにある金をわたしたくて、今までになんどもなんどもでてきたが、ひっこしてきた人たちは、みなにげていってしまった。おまえにその金をみなわたすから、おれについてこい」
と、いって、おくのざしきにつれていきました。
 そこであねちゃが、おばあさんにいわれてゆか板をはがすと、大きなかめがでてきました。
 おばあさんが、
「ふたをとってみれ」
と、いうので、ふたをとってみたら、なかにはピカピカひかる小判がいっぱい入っていました。
「なんとまあ!」
 あねちゃがビックリしているまに、おばあさんは、いなくなっていました。
 タコをとってかえってきた長兵衛は、小判のいっぱい入ったかめをみて大よろこび。
 二人は大金持になり、それから一生なかよく楽しくくらしたということです。

おしまい
関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 14:40 [edit]

category: 日本の民話

TB: --    CM: 0

14

思い出写真館251 

f251.jpg
【金比羅】
関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 14:19 [edit]

category: 思い出写真館

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-10 海響館 

ff37.jpg

ff38.jpg

ff39.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 11:00 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-9 海響館 

ff34.jpg

ff35.jpg

ff36.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 10:58 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-8 海響館 

ff31.jpg

ff32.jpg

ff33.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 10:57 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-7 海響館 

ff28.jpg

ff29.jpg

ff30.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 10:55 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-6 海響館 

ff21.jpg

ff22.jpg

ff23.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 10:53 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

赤い靴 

赤い靴
アンデルセン童話


 むかしむかし、カーレンと言う女の子がお母さんと二人で住んでいましたが、ある時、お母さんが病気で亡くなってしまったのです。
「お母さん。わたし、これからどうしたらいいの?」
 お葬式の日、一人ぼっちになったカーレンが泣いているとお金持ちのおばあさんが馬車(ばしゃ)で通りかかりました。
 そしてカーレンを可愛そうに思ったおばあさんは、牧師(ぼくし)さんに言いました。
「わたしに、その子の世話をさせて下さいませんか?」
 こうしてカーレンは、おばあさんの家で暮らす事になったのです。
 それからカーレンは、勉強をしたり、おさいほうを習ったりと、とても楽しく暮らしました。
 今までの貧乏な暮らしが、まるでうその様に素敵な毎日です。

 ある日の事、女王さまがお姫さまを連れて町へやって来ました。
 カーレンが見に行くと、お姫さまはきれいな服を着て、目の覚める様な美しいまっ赤な靴をはいていました。
(素敵な靴)
 その日からカーレンは、そのまっ赤な靴の美しさを一日も忘れる事が出来ませんでした。
 それから、何年かたちました。
 カーレンもそろそろ、大人の仲間入りをする年頃です。
 ある時カーレンは靴屋の店先で、お姫さまの靴とそっくりな赤い靴を見つけました。
(あの靴が欲しいなあ)
 カーレンがその靴を欲しがっている事を知ったおばあさんは、カーレンにその靴を買ってやりました。
「まあ、素敵な靴をありがとう。実はとっても欲しかったの。さっそくこれをはいて、教会へ行ってみたいわ」
 それを聞いたおばあさんは、カーレンに注意しました。
「カーレン。教会へは、黒い靴をはいていくものですよ。そんな赤い靴をはいて行ってはいけません」
「・・・はい。わかりました」
 カーレンはそう返事をしましたが、でもしばらくたっておばあさんが重い病気で寝込んでしまうと、カーレンはいつもいつも赤い靴をはいて教会へ行ったのです。
(うふふふふふっ、みんな、わたしの靴を見ているわ)
 カーレンには教会にいる大勢の人たちが、うらやましそうに自分の靴を見ている様に思えて、とてもうれしくなりました。

 ある日カーレンは、ダンスパーティーに招かれました。
 そこでカーレンは病気で苦しんでいるおばあさんの看病もせず、おしゃれに夢中になりました。
 そして赤い靴をはいて、パーティーに出かけようとした途端、大変な事が起こりました。
 赤い靴がひとりでに動き出して、ダンスを踊り始めたのです。
「止まらない! 止まらないわ!」
 どんなに止めようと思っても、赤い靴はダンスを止めてくれません。
 そしてカーレンは赤い靴にあやつられるまま、外へ踊り出しました。
 カーレンは踊りながら町を出て行くと、暗い森の中へ入って行きました。
 すると木かげに赤いひげを生やした気味の悪い魔法使いのおじいさんが立っていて、カーレンにこう言ったのです。
「ほう、何ともきれいなダンス靴だな。お前が心を入れ替えない限り、そのダンス靴は踊り続けるだろう」
 すると赤い靴のダンスは、ますます激しいものとなりました。

 さて、何日が過ぎたのでしょうか。
 朝も昼も夜も、晴れた日も雨の日も踊り続けたカーレンは、疲れ果ててボロボロです。
 でも、赤い靴はダンスを止めてくれません。
 フラフラになったカーレンが自分の家のそばまで踊りながら来た時、カーレンはおばあさんのお葬式に出会いました。
 それを見るとカーレンは、胸が張り裂けそうな気持ちになって大声で泣き出しました。
「ああ、おばあさん、ごめんなさい」
 あの優しかったおばあさんが死んでしまったのは、自分が看病をしなかったせいだと思ったのです。
「神さま、どうか、どうか、おばあさんが天国へ行けますように。わたしはこのまま死んでもかまいません。だからおばあさんを、どうか天国へ連れて行って下さい」
 その時、あたりにサーッとまばゆい光が差し込んで来ました。
 そしてその光の中に真っ白な服を来た天使(てんし)が立っていて、カーレンに微笑みました。
「お前の願いは神さまに届きました。おばあさんは無事に天国へ行けるでしょう。そしてお前の罪も、神さまは許して下さいましたよ」
 すると赤い靴がカーレンの足からぬげて、カーレンのダンスがようやく終わりました。

おしまい
関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 09:49 [edit]

category: 世界昔話

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-5 海響館 

ff18.jpg

ff19.jpg

ff20.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 09:46 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14

ふるさと散歩229-4 海響館 

ff15.jpg

ff16.jpg

ff17.jpg

関連記事

Posted on 2014/01/14 Tue. 09:44 [edit]

category: ふるさと散歩

TB: --    CM: 0

14