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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

医者の息子 

医者の息子
イランの民話


 むかしむかし、ある村に、とても親切なお医者さんがいました。
 このお医者さんは、病人が出ると自分の息子を助手にして、どんなに遠い所にでも診察に出かけました。

 ある日の事、急病人が出たというので、お医者さんは息子を連れて出かけました。
 出迎えた主人は、お医者さんに病人の様子を説明しました。
「まあ、遠い所をありがとうございます。さっそくですが、病人は、お腹が痛いと言って苦しんでおります」
 するとお医者さんは、病人を診察しながら言いました。
「この病人は、ざくろを食べましたな」
 その通りだったので、主人はびっくりして答えました。
「はい、先生のおっしゃる通りです。昨日、ほんの少し食べさせましたが、ざくろが体にさわったのでしょうか?」
「かもしれませんね。ざくろは健康な人には腹痛の薬ですが、強い効果があるので、体の弱った人には逆効果です。・・・そして、ヨーグルトも食べていますね」
 主人は、またまた驚きました。
「はい。ヨーグルトも少しばかり、口に入れてやりました。これも、体に悪かったのでしょうか?」
「いいえ。少しなら問題ありません。ヨーグルトは万能の薬です。しかし、たくさん食べさせると体の弱った人には逆効果なので、元気になるまで食べさせない方が良いでしょう」
 お医者さんの息子は、病人の食べた物まで言い当ててしまう父親を、誇らしく思いました。

 お医者さんは病人の手当てを終えると、息子と二人で帰って行きました。
 帰り道の途中で、息子は父親に尋ねました。
「お父さん、どうしてあの病人が、ざくろやヨーグルトを食べた事が分かったのですか?」
 すると父親は、笑いながら答えました。
「お前でも、よく観察すれば分かることだよ。あの家の台所には、ざくろの皮が転がっていただろう。それに病人の口ひげに、ちょっぴりヨーグルトがくっついていたんだよ」
「なるほど、ちっとも気づきませんでした」
 父親は、息子の肩を叩いて言いました。
「医者と言うのは、観察が大事だ。病人本人の観察も大事だが、家の事や家族の様子を観察すれば、病気になった原因や治療方法が見えてくるのさ。お前も病人を治療するときは、よく観察するんだよ」

 次の日、昨日の病人の家から迎えが来ました。
「先生、お願いでございます。病人がまた苦しみましたので、どうかもう一度診察していただけないでしょうか?」
 しかしその日は、どうしてもお医者さんの都合が悪かったので、父親の代りに息子が診察に出かける事になったのです。
 息子は、病人の脈をはかりながら言いました。
「この病人は、ロバの肉を食べたね」
「??? いいえ、病人にロバの固い肉など、決して食べさせたりいたしません」
「そうですか。では、病人にお酒をたくさん飲ませましたね」
「とんでもない! どうして病人にお酒なんか飲ませるのですか!」
 家の主人は、息子にきっぱりと言いました。
 息子は家に帰ると、さっそく父親にこの事を報告したのです。
 すると父親は、息子に尋ねました。
「お前はなぜ、病人がロバの肉を食べたと判断したのかね?」
「はい、病人の家に入る、ロバのくらが置いてありましたが、ロバはどこにも見えませんでした。わたしはてっきり、ロバを殺して家族で食べてしまったんだろうと判断したわけです。それで病人にも、少しは分けて食べさせているに違いないと」
「それでは、なぜ病人がお酒を飲んだと判断したのかね?」
「はい、病人は赤い顔をしていました。そして台所には、空になったお酒のビンがありました。そこで病人に、お酒を飲ませたに違いないと思ったのです」
 父親の医者は、がっかりした顔で息子の話を聞いていました。

おしまい
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Posted on 2013/10/28 Mon. 15:03 [edit]

category: 世界昔話

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彦島さんぽ150-5 老の山 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 14:59 [edit]

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彦島さんぽ150-4 老の山 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 14:58 [edit]

category: 彦島さんぽ

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彦島さんぽ150-3 老の山 

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彦島さんぽ150-2 老の山 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 14:55 [edit]

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彦島さんぽ150-1 老の山 

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category: 彦島さんぽ

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故郷の花々173 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 09:28 [edit]

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ハチとアリ 

ハチとアリ
秋田県の民話


 むかしむかし、男鹿半島(おがはんとう→秋田県)には虫たちの国があり、その国にきれいなハチが住んでいました。
 ハチは自分の羽(はね)を見て、うっとりしました。
「おらの羽は、なんてきれいんだろう。日の光にすかすと、虹の様にきれいなしまもようが出来る。おらはこの村で、一番美しいんじゃ」

 ある日、ハチはどろんこになって働いているアリのところへ飛んできて、こう言いました。
「毎日毎日、ごくろうじゃのう。でも働くばかりじゃなくて、たまには海でも見てゆっくり休んではどうじゃ?」
「海? 海ってなんだ?」
「おや? アリさんは、海を知らんのか? まあ、何と言えばいいのか。海は塩からい水が青く光っていて、ザブーン、ザブーンと波打ってるところさ」
「ザブーン、ザブーンか。おもしろそうだな」
「そうとも。それからな、その海に何がいると思う?」
「さあ、知らねえ」
「さかなだよ。さかながいるんだ」
「さ・か・な?」
「なんだ、さかなも知らんのか。さかなはな、すっごくおいしい食べ物なんだ」
「へーっ、そんなにおいしいのなら、食ってみたいな」
「だがな、おらのこの美しい羽なら海までひとっ飛びじゃが、アリさんにはちょっと無理じゃな」
「大丈夫。アリは足が丈夫なのがじまんだから、ちゃんとハチさんについていくよ」
「よし、じゃあ、ちゃんとついてこいよ」
「わかった!」
 アリは空を飛ぶハチを、必死で追いかけました。
 やがて一足先に海に着いたハチは、海につき出ている岩の上でひと休みです。
「ああ、海はいつ来ても気持ちがいいな。・・・おや?」
 ハチは岩のまわりを泳いでいる、ニシンのむれを見つけました。
「ニシンじゃねえか。よしよし、一番大きいのを取ってやる。・・・今だ!」
 ハチは飛びはねたニシンをつかまえると、お尻のハリでチクリとさしました。
「よし、つかまえたぞ!」
 そのころアリは、やっと海に到着しました。
「こいつが海か。海って、でっかいなー」
 アリが感心していると、波にのって飛び出した大きなタイが空中へ投げ出されて、アリの目の前にドスンと落ちました。
 そこへ、ニシンを持ったハチが飛んできました。
「おーい、アリさん、やっと来たんだな。あんまり遅いんで、おらはもうニシンをつかまえたぞ。見てみろ、この大きなニシンを。・・・うん? ややっ、アリさん、これはなんともでっかいタイだな」
「これは、タイというのか?」
「そうだ。タイはさかなの王さまで、味は天下一品じゃ」
「そうか、それはありがたい。ところで、ハチさんが持っているそのさかなは?」
「これか? これはニシンじゃ。アリさんがあんまりおそいんで、先につかまえたんだ」
「さすがは、ハチさん。・・・じゃが、ニシンよりもタイの方がでっかいし、赤くてうまそうだ」
 そう言うアリに、ハチがすり寄ってきて言いました。
「なあ、アリさん。おらは見た目にもきれいだし、美しい羽根も持っている。そのタイは、おらの方が似合うと思うのだが」
「うん? 取り替えっこをしてくれというのか? いやだ、ことわる」
 そう言ってタイをかついで帰ろうとするアリに、ハチは飛んできて言いました。
「なあ、友だちのアリさん。このおらの美しさには、その赤いタイがお似合いなんだ。それにお前さんの黒っぽい体には、ニシンの青黒い色がよく似合う。そうだと思わねえか」
「思わん! とにかく、タイはやらん!」
「いいや、タイはおらで、アリさんがニシンじゃ!」
「ハチさんが、ニシンじゃ」
「なんだと!」
「なにおー!」
 こうしてハチとアリのけんががはじまり、二匹は村長のカブトムシに、どちらがタイをもらうかを決めてもらう事にしました。
 ハチとアリの話しをジッと聞いていた、カブトムシの村長が言いました。
「よし、それではさばきをつける。ハチとアリよ、よーく聞くがいい」
「はい」
「へい」
「まずハチよ。お前は九九(くく)を知っとるか?」
「はい、知ってます」
「では、二、四が?」
「八です」
「そのとおり。二、四が八。つまり、ニシンがハチじゃ」
「なるほど」
「つぎに、アリよ」
「へい」
「人から物をもらったら、なんと言う?」
「『ありがたい』です」
「そう、ありがたいじゃ。つまり、アリがタイじゃ」
「なるほど」
「よって、アリがとったタイはアリの物。ハチがとったニシンは、ハチの物ということじゃ。・・・じゃが、お前たちは友だち同士、どっちがどっちでけんかするよりも、ニシンとタイをなかよく半分ずつにしてはどうじゃな」
「なるほど、その手があったか」
 村長の話になっとくしたハチとアリは、ニシンとタイを仲良く半分こして食べたそうです。

おしまい
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Posted on 2013/10/28 Mon. 09:26 [edit]

category: 日本の民話

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彦島さんぽ149-13 水門 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 09:24 [edit]

category: 彦島さんぽ

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彦島さんぽ149-12 水門 

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Posted on 2013/10/28 Mon. 09:22 [edit]

category: 彦島さんぽ

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