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彦島のけしき

山口県下関市彦島から、風景・歴史・ものがたりなど…

猿ヶ城の朱塗り観音 

猿ヶ城の朱塗り観音


 山あいのある村に丸い石がありました。なんてことのない、つるつるした丸い石ですが村の人たちはむかしから観音さまとよび大切にしてきました。そしてこの観音さまの顔が赤くなると、必ずこう水が出るといわれてきました。
 
 この村に一人のいたずら者が住んでいました。ある日、村人をからかってやろうと思い、こっそり観音さまの顔を赤くぬっておきました。
 そんなことを知らぬ村人の一人が、これを見つけてびっくり。
「観音さまの顔が赤くなっているぞー。たいへん、たいへん、観音さまの顔が赤くなっているぞー」
とさけびまわりました。
観音さまの所へ見にいったり、野山に働きに行っている者をよんできたり、静かな村は上を下への大さわぎになりました。

村人たちは家の道具をまとめ、牛や馬を引いて、高いところへ逃げました。いたずら者はみんなのあわてぶりを見て、腹をかかえておもしろがりました。
「おもしろいなあ。だまされたのも気づかずにあわてて逃げている。何日にげているつもりだろう。そろいもそろって、ばかばっかりだ」
そういって笑いながら家にねそべっていました。
 
 ところがその日の夜から、おぼんをひっくり返したようなものすごい雨がふり出しました。
「ピカピカッ。ゴロゴロッ」
かみなりとものすごいいなびかり。大つぶの雨はひっきりなしに大地をたたきます。
 何時間ふり続いたでしょうか。とつ然
「ドドーッ」
とものすごい谷鳴りがしたと思うと
「ゴオッ、ザザザアーッ」
大こう水がどっとおしよせてきました。
 そして川も道も大地も、人も家も村中残らず洗い流してしまいました。
 あっというまの出来事でした。

 いたずら者は助かりませんでしたが、逃げていた村人たちはみんな助かったのです。
 村人たちは
「だました男をこらしめるために観音さまが大こう水をおこしたにちがいない。悪いことは全部観音さまにはお見通しなのだ」
と前よりもこの観音さまを大事にまつるようになったということです。


「垂水市史料集(三) 民話・伝説 垂城奇話」を参考にしました。
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Posted on 2013/06/03 Mon. 14:34 [edit]

category: 日本の民話

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ふるさと散歩178-5 桜山 

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Posted on 2013/06/03 Mon. 14:32 [edit]

category: ふるさと散歩

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ふるさと散歩178-4 桜山 

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Posted on 2013/06/03 Mon. 14:31 [edit]

category: ふるさと散歩

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ふるさと散歩178-3 桜山 

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Posted on 2013/06/03 Mon. 14:29 [edit]

category: ふるさと散歩

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ふるさと散歩178-2 桜山 

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Posted on 2013/06/03 Mon. 14:28 [edit]

category: ふるさと散歩

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